AIによるノイズ除去機能を搭載したソフトウェアが増えつつありますが、やはりDxO PureRAW 3のノイズ除去力は他社の一歩先を行く性能です。また、DxO PureRAW 3は精度の高いレンズ収差やシャープネスの補正力で、RAW画像を最大限に最適化して高画質にするというのも大きな魅力の一つです。
今回は、DxO PureRAW 3の前バージョンとの違いとノイズ除去性能を実例と共にレビューします。
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DxO PureRAWとは？
そもそもDxO PureRAWとは、DxO（ディクソー）社の膨大なカメラとレンズの組み合わせのデータをAIに学習させRAW画像ファイルのレンズ収差（ディストーション、色収差、周辺減光）の補正、ISOの高感度ノイズの除去、シャープネスの改善などRAW画像ファイルを最適化して高画質にすることに特化したソフトウェアで、RAW現像・写真編集ソフトではありません。
特に、DxO PureRAWのISOの高感度ノイズ除去能力が秀逸で、ノイズを除去しつつもシャープネスが保たれていて、複数枚の写真をスタックさせるノイズ除去方法と比較しても遜色ない結果で、星景写真を撮る人にはおすすめのソフトウェアです。
DxO PureRAWがノイズ除去機能にだけ注目されがちですが、むしろレンズ補正が正確かつ強力で、他社では真似できないカメラやレンズの詳細かつ正確な大量のデータが活かされている点はかなりの強みとなっています。
DxO PureRAWはスタンドアローン（単独）のソフトとして使用できますが、Lightroom Classicのプラグインとしても作動するので、DxO PureRAWで生成されたDNGファイルをLightroomで編集することも簡単にできます。
【DxO公式ウェブサイト】 DxO PureRAW 3の詳細ページ
操作は直感的でシンプルなので迷うことなく使用可能
ある程度の項目が選択可能なので柔軟性もあり
適用前と適用後の比較も簡単
DxO PureRAW 3の特徴：RAW画像の最適化
AIによるノイズ除去
DxO PureRAW 3の最大の特徴は、やはりAIによる高ISOのノイズ除去機能です。今までの一般的なノイズ軽減機能はノッペリとした仕上がりになりがちでしたが、DxO PureRAWのノイズ除去は、しっかりとノイズを除去しつつも、シャープでメリハリのある仕上がりになるのが特徴です。
デモザイク処理
DxO PureRAW 3は、AIでノイズを除去し、更にデモザイク処理を行いRAW画像のモザイクパターンを解析し高品質でノイズの少ない画像を生成しています。
デモザイク処理を簡単に説明すると、画像になる前のRAWファイルの色情報を解析して画像変換する処理のことです。RAW現像ソフトは、それぞれ違った独自のデモザイク処理を行っていますが、画質を大きく左右する結構重要な要素でもあります。
レンズ補正
DxO社はカメラとレンズの組み合わせのテストや分析を独自に行い、それらの膨大な詳細データをDxO PureRAW 3に活かし、精度の高い光学補正を可能にしています。様々なレンズの歪みや色収差、周辺減光（ヴィネット）、シャープネスなどの光学的な収差を自動補正して、より正確で高品質なRAW画像に最適化してくれます。
DxO PureRAW 3の進化した点
DxO PureRAW 2からバージョンアップしたDxO PureRAW 3の進化した点をまとめてみました。
更に進化したノイズ除去機能Deep PRIME XD
前バージョンではDxO PureRAWのノイズ除去機能はDeep PRIMEのみでしたが、DxO PureRAW 3から更に進化したDeep PRIME XD（エクストラ・ディテール） が追加されました。
DeepPRIME XD（エクストラ・ディテール） は、DeepPRIMEを上回るディテールとコントラストを実現可能にしたノイズ除去機能で、高ISO感度の画像でも滑らかなボケ効果とより細やかなテクスチャのノイズのない、リアルで自然な色の写真に仕上げます。
ただし、全ての写真においてDeepPRIME XDが優れているとは限らず、DeepPRIME XDの効果が強すぎる場合はDeepPRIMEの方がより自然に仕上がる可能性もあるので、ケースバイケースで使い分けるのが良さそうです。
UIの改善
DxO PureRAW 3ではUIが改善され、任意に選択できる光学補正の設定項目が増えました。
前バージョンは、光学補正設定は『全体レンズシャープネス』と『レンズ歪み補正』の2種類のみ可能でしたが、DxO PureRAW 3では、『レンズシャープネス（4段階）』、『ヴィネット』、『色収差』、『歪曲収差』の4つのON/OFF設定が行えるようになりました。
- レンズシャープネス（ソフト、標準、強、ハード）
- ヴィネット
- 色収差
- 歪曲収差
光学補正の設定画面
TIFF形式で出力可能
従来のDxO PureRAWは出力形式がDNGとJPEGのみでしたが、PureRAW 3は新たにTIFF（8bit・8bit圧縮・16bit）での出力が可能になりました。
TIFF（8bit・8bit圧縮・16bit）での出力が可能になった
対応するカメラやレンズの増加
DxO PureRAW 3はアップデートやバージョンアップするごとに、対応レンズやカメラが常に増え続けていて、現在は８万以上のレンズとカメラの組み合わせの光学モジュールが利用でき、レンズ収差を補正し最適化することが可能です。
DxO PureRAW 3のノイズ除去機能の実例
DxO PureRAW 3のノイズ除去機能を実際の写真で試してみました。
風景・星景の例
ISO1000で長秒露光で撮影した星景写真にノイズ除去を施し100％等倍にして一部をトリミングしました。
ノイズ除去なしの元画像と比較するとDxO PureRAW 3の方はノイズが綺麗に除去されつつ、シャープな仕上がりになりました。
次にDxO PureRAW 3とAdobe LightroomのAIノイズ除去機能の比較ですが、Adobe Lightroomの設定はデフォルトの適用量50にしています。ノイズ量はどちらも滑らかできれいに除去されていますが、DxO PureRAW 3の方がシャープな仕上がりに対して、Lightroomの方がノッペリ感が出てディテールが潰れる傾向にあります。
人工物（建物）の例
ISO6400で400mmの望遠レンズで建物を撮影した写真にノイズ除去を施し100％等倍にして一部をトリミングしました。
元画像と比較するとDxO PureRAW 3の方は空など比較的シンプルな部分はノイズが除去され滑らかですが、複雑で直線的な人工物の建物は少し違和感のある仕上がりになってしまいました。
次にAdobe LightroomのAIノイズ除去と比較してみた所、Lightroomの方がノイズが若干残る物の建物がより自然な仕上がりになりました。
動物の例
ISO12800で400mmの望遠レンズで撮影した白鳥の写真にノイズ除去を施し100％等倍にして一部をトリミングしました。
元画像と比較するとDxO PureRAW 3の方は、高感度ノイズが除去され滑らかな仕上がりでありながら、白鳥の羽のディテールが復元されています。
次にAdobe LightroomのAIノイズ除去と比較すると、Lightroomの方が高感度ノイズのザラザラ感が残り、白鳥のディテールが潰れている感じがします。
DxO PureRAW 3の価格
DxO PureRAW 3の新規購入の価格は、14,900円、前バージョンからのアップグレード版は、8,900円になります。
| 新規ユーザー | 14,900円 |
|---|---|
| アップグレード | 8,900円 |
【DxO公式ウェブサイト】 DxO PureRAW 3の購入ページ
DxO PureRAW 3の無料お試しダウンロード
DxO PureRAWを使った事が無い方は、機能制限なしの30日間無料版を是非ダウンロードしてその凄さを体験してみて下さい。クレジットカード番号の入力不要で、Emailを登録するだけでダウンロードのリンク先がメールで送られてくるだけの簡単手続きでOKです。
【DxO公式ウェブサイト】 DxO PureRAW 3の無料お試しダウンロード
総評
Adobe LightroomにAIノイズ除去機能が追加されてから、DxO PureRAW 3の存在感が薄れてしまいましたが、ノイズ除去機能に関しては全体的にノイズを除去しつつも、シャープに仕上げると言う点でDxO PureRAW 3は他社よりも一歩先を行っている感じがします。ただし、写真によっては得意・不得意があるようなので、その都度ソフトウェアを使い分けるというのがベストかもしれません。
また、ノイズ除去機能だけでなく、他社を圧倒するレンズやカメラの膨大な詳細データを活用した光学補正や、高画質にするデモザイク処理技術も非常に精度が高く、RAW画像を最高画質に最適化してくれるので、画質に拘ってRAW現像したい人にはおすすめです。
最近の写真編集ソフトウェアはAIで処理する機能が追加され、GPU搭載の処理速度の速いパソコンが必要になりつつあります。DxO PureRAW 3も例外ではなくGPUは必須ではありませんが、GPU搭載が推奨されていて、処理速度に大きな差がでるので、できればGPU搭載のパソコンで使用する事をおすすめします。
LightroomのAIノイズ除去機能で満足している方も、実際にDxO PureRAW 3を使ってみると、仕上がりの違いが結構大きいと感じるかもしません。試しにDxO PureRAW 3を試してみてはいかがでしょうか？
