センサーサイズによる画質の違いを解説!カメラは画素数よりも撮像素子で選ぶべし

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センサーサイズによる画質の違い カメラ基礎知識

一眼カメラにはフルサイズやAPS-C、フォーサーズなどイメージセンサー(撮像素子)のサイズに違いがあるのですが、一般的にフルサイズ機の方が画質が良いと言われている理由をご存知ですか? 画素数が多い方が高画質と誤解されている人も多いのですが、イメージセンサーによっては逆に画質が悪い場合もあります。

今回は、イメージセンサーのサイズによって画質が変わる理由を分かり易く解説します。

デジカメのセンサーサイズの種類と比較図

一般的に普及している主な一眼カメラのイメージセンサーのサイズの種類は、フルサイズ(36mm×24mm)、APS-C(23.6mm×15.8mm)、フォーサーズ(17.3mm×13mm)などで、それ以外には1型(13.2mm×8.8mm)やフルサイズよりも大きい中判(43.8mm×32.9mm)と言ったサイズもあります。

ちなみに、ほとんどのコンデジやスマホ、アクションカムなどのイメージセンサーは1/2.3型前後の大きさで、フルサイズと比較するとかなり小さいことが分かります。

数字だけでは分かり難いので、センサーサイズの大きさの違いを図にして比較しみました。

カメラのセンサーサイズの比較図

デジカメの主なセンサーサイズの比較図:フルサイズ、APS-C、フォーサーズ、1インチ、1/2.3(コンデジ・スマホ)

※APS-C機はメーカーや機種によってサイズが微妙に違いがあります。

フルサイズセンサーの方が画質が良い理由

イメージセンサーの大きさの違いが大体把握できたと思いますが、画質とどう関係があるのかと言うと「センサーサイズが大きいほど多くの光を取り込めるので画質が良くなる。」と言うのが理由です。もちろんイメージセンサーの性能も関係してきますが、画質を大きく左右する要因の一つにイメージセンサーのサイズが重要だという事です。

光を多く取り込めるメリット

イメージセンサーが大きいほど、光を多く取り込めるので、ダイナミックレンジが広くなり白とびや黒つぶれしにくく階調豊かな色表現が可能になります。もちろん、ダイナミックレンジの広さはイメージセンサーの大きさ以外にもいくつかの要因がありますが…。

他にも、受光面積が大きいとノイズの量が抑えられるため、フルサイズ機とAPS-C機とではノイズの出方に大きな差があります。

同じ画素数でセンサーサイズが違う場合

例えば、同じ画素数の一眼レフカメラでフルサイズとAPS-Cサイズのセンサーだった場合、1画素(ピクセル)に割り当てられる受光面積は2倍以上の差があり、取り込める光の量に大きな差が出てきます。イメージセンサーが大きい方が1画素(ピクセル)に対して、より多くの色情報を取り込むことが出来きます

以下に、フルサイズとAPS-Cサイズで同じ画素数の場合の1画素を大きくした単純な図を作ってみました。1画素が正方形だと考えてください。正方形が大きいほど、多くの光を取り込め色情報をたくさん得る事ができます。

1画素に対するセンサー面積の例

1画素に対する受光面積が大きいフルサイズの方が多くの色情報が得られる

高画素数=高画質とは限らない!

最近のコンデジやスマホのカメラの画素数は、一眼カメラと同じ位の2000万画素の機種もありますが、画素数が大きいからと言って画質が良いとは限りません。

前途で述べたように、イメージセンサーが大きい方が画質が良いと解説しましたが、同じセンサーサイズでも画素数が多くなるとどうなるでしょうか?

同じセンサーサイズで画素数が違う場合

画素数が増えるという事は、1画素に割り当てられる受光面積が小さくなる為、その分画質が悪くなる場合もあります。特にセンサーサイズが小さいのに高画素数なカメラの画質は要注意です。

以下の図は、フルサイズ機で左は画素数が少なく、右は画素数の多い、それぞれ違う画素数の場合のイメージです。低画素ほど受光面積が大きく、逆に高画素だと受光面積が小さくなることが分かります。

同じセンサーサイズで画素数が違う場合

同じセンサーサイズで画素数が違う場合:1画素に割り当てられる受光面積に差が出る

画素数が全てではない、用途に合わせたスペック

画素数が多い少ない、それぞれのメリットやデメリットがあり、各メーカーはそれぞれの用途に合わせたスペックの違うカメラを販売しています。

ニコンのフルサイズ機の画素数を比較すると、フラッグシップ機D5の有効画素数は2082万画素に対して、D750は2432万画素とD5より画素数が多いです。発売日もD5の方が1年半ほど新しいにも関わらず、画素数ではD750の方が上回っています。

しかし、フルサイズの高画素なD850は有効画素数が4575万画素と随分大きくなっていますが、画質が悪くなったわけではありません。フルサイズ機のイメージセンサーは大きい為、画素数を増やしてもある程度余裕があるので画質劣化に繋がらないのです。

高画素カメラは必要?

画素数の多い高解像度の画像は大きく印刷できるメリットはありますが、2000万画素程あればA3程度まで印刷できます。商業印刷で大きくプリントする以外の目的であれば、画素数はあまり気にする必要はないと思います。

大きなポスターなどのA1やA0サイズの場合、解像度を150~200dpi程度に落として印刷するのが一般的で、少し遠目から見るので問題ない画質になります。アマチュアがこのくらいの大きさで印刷をする機会はほとんど皆無かと思います。

実用レベルで考えると、やはり2000~2400万画素あれば十分で、各メーカーで発売されている一般的なカメラも同じような画素数になっているのは、そんな理由からだと思います。

それ以上の大きさで印刷するなら、ニコンD810やD850、キャノン5Ds、ソニーのα7Rなどの3000~6000万画素モデルを使って撮影する必要があります。

高画素になればなるほど画像データの容量が重くなるので、現像したりレタッチしたりする場合には、ハイスペックなPCじゃないと効率よく作業が出来なくなるというデメリットがあります。

まとめ

カメラの画質を左右するのは光で、その光を多く取り込めるかが重要なポイントで、その中の一つにイメージセンサーと言う核となるものが存在します。小さくても高画質なイメージセンサーが開発されてきているとは言え、やはり物理的に大きい方が光を多く取り込めるというのは事実です。

高画質にこだわりたいなら、フルサイズ機をおすすめしますが、自分の使用用途で選ぶのが一番良いかと思います。