写真編集用のおすすめPCモニターと選ぶ際のポイント

カメラマン向け写真編集用おすすめモニターと選ぶ際のポイントカメラ・機材

写真編集やRAW現像に適したPCモニターの選ぶ際のポイントを分かりやすく解説します。パソコンのディスプレイと言っても種類がたくさんありますが、写真編集に必要な正確な色再現が可能な色域やカラーマネジメント機能、その他の必要スペックなどの要点を押さえて、初心者から上級者それぞれのレベルや目的用途に合わせた厳選おすすめモニターをまとめました。

パソコンに詳しくない方やカメラ初心者の方にとって参考になればと思います。

写真編集向けモニター選びのポイント

パネルの種類はIPSがおすすめ

PCモニターの液晶パネルは、主に「IPS」、「TN」、「VA」の3種類の駆動方式に分けられ、それぞれに特徴があり、用途に合わせて選ぶのが良いのですが、写真編集にはIPSパネルがおすすめです。

IPSパネルの特徴は、視野角が広く、どの角度から見ても色の変化が少なく、正確な色再現に優れている為、写真編集に向いています。「TN」や「VA」に比べると値段はやや高めで、応答速度があまりは速くないというのがデメリットです。ただし、最近では応答速度も改善され、IPSパネルのモニターが用途を問わず主流になりつつあるようです。

TNパネルは、応答速度が速いのが特徴でゲーム用モニターでよく採用されていて、値段は若干安めとなります。VAパネルは、コントラストが高く、綺麗な黒色の再現性に優れているのが特徴で、映画鑑賞に向いています。

キャリブレーションの種類

モニター選びで最も重要なポイントは正しい色で表示でるかどうかです。モニターの色を正確に調整するにはキャリブレーションが必須となり、キャリブレーション対応のカラーマネージメントモニターかどうかがポイントとなります。

キャリブレーションするには、モニターとは別途で2~3万円程度のキャリブレーターが必要になります。色域が広くても正しい色が表示できていなかったら、まったく意味がありません。キャリブレーションには、ハードウェアとソフトウェアの2種類あり、いずれもキャリブレーターで行います。

ハードウェアキャリブレーション

ハードウェアキャリブレーションとは、モニター側で色を調整する方法でより正確に調整が可能で、いわゆるカラーマネージメントモニターと言われるものです。ただし、プロ向けやハイアマチュア向けで対応しているモニターはある程度種類が限られていて、一般的なモニターと比べるとやや値段が高くなるのが特徴です。

ソフトウェアキャリブレーション

ソフトウェアキャリブレーションとは、ソフトウェアを使ってPC側の設定でモニターの色を調整する方法です。一般的な普通のモニターの色を調整する場合は、ソフトウェアキャリブレーションです。どんなモニターでも大丈夫ですが、色域の広いモニターの方がより正確な色に調整することができます。

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色域はAdobeRGB、sRGBのどっちが良い?

写真編集用モニターの色域の目安として大まかにsRGBとAdobeRGBがポイントとなります。AdobeRGBの色域の方が広く写真編集やRAW現像でもAdobeRGBを扱いますが、最終的な目的に応じて選ぶのが良いのかと思います。

写真編集だけならsRGBで十分

写真編集用のモニターとしては、しっかりとキャリブレーションできればsRGBの色域で十分な場合がほとんどです。AdobeRGB対応のモニターじゃないと色域が足りなく正確な色が表示できないと誤解されがちですが、目的がインターネットやモニター上だけならsRGBを100%近くカバーしていれば十分です。

カラーマネジメント技術には、色域の広さが異なるデバイス間で色を渡すときでも出来る限り支障がないようにするために色域圧縮という仕組みがあるので、AdobeRGBの写真データをsRGBの色域までしか表示できないディスプレイでも正しく表示できます。

印刷するならAdobeRGB

正直なことを言えば、AdobeRGB対応モニターは、写真を印刷しない人には必要がないのでおすすめしません。本格的に印刷して、しっかりとした適切な色を出したい方は、AdobeRGB対応のモニターを選ぶのが良いかと思います。

印刷する場合は、AdobeRGBをカバーしているモニターの方が良いのこしたことはありませんが、絶対に必要かというと、そうでもなく、適切にキャリブレーションされていれば、sRGB 100%でもほぼ問題ありません。印刷物を扱うプロのグラフィックデザイナーでも、AdobeRGB非対応のモニターを使って、仕事をしている人はたくさんいるのが現状です。

適切にキャリブレーション出来ているかどうかが重要なので、ハイエンドの高価なAdobeRGB対応モニターを買うよりは、sRGBを100%近くカバーしたモニターとキャリブレーションツールを買うのがおすすめです。

適切なモニターサイズと解像度

24インチ、27インチ、32インチ

モニターサイズは、置く場所や実用性を考えると24インチか27インチがおすすめです。

写真編集以外であまり使わないといったライトユーザーであれば、値段も抑えられる標準的な24インチで十分かと思います。最近のモニターは画面のベゼル(縁)が細くなっているので、27インチでも置き場所はそれほど影響しないかもしれません。

32インチ以上になると、ある程度置き場所に余裕がないと厳しいかと思います。また写真編集だけが目的の場合は、持て余してしまう大きさなのであまりおすすめはできません。

解像度は?

現在販売されているPCモニターの解像度の主流は、フルHD(1920×1080)、WQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)の3種類になります。

フルHD(1920×1080)

使用目的が写真編集やインターネット程度であれば、フルHDでも十分です。一般的な一眼カメラで画素数が2400万画素前後の画像編集でも何のストレスもなく作業可能です。

WUXGA(1920×1200)

WUXGAはフルHDよりも高さが少し大きく作業領域が広くなり、写真編集などの作業がしやすいのが特徴です。

WQHD(2560×1440)

本格的な写真編集やそれ以外のソフトウェアを使うのであれば、作業領域が広いWQHDがおすすめです。また、WQHDはフルHDよりもきめの細かい滑らかな表示が可能なので、4000万画素以上ある高画素カメラであれば、WQHDはあった方が良いかもしれません。

ただし、フルHDや4Kに比べると種類が少な目です。

4K(3840×2160)

カメラの高画素化にともない4K動画も徐々に普及し始めているので、将来を見据えて4Kモニターを選ぶというのも一つの選択肢です。写真編集の他に、4K動画編集なども行う場合は、4K対応のモニターがおすすめです。

ただし、4Kモニターは、情報量が多くなる分、パソコンに負荷がかかってくるので、少し古いパソコンだとスペック的に4Kを綺麗に表示できない場合もあり、新しめのパソコンで4Kに対応しているのが最低条件となります。

4Kモニターは文字が小さくなると言われていますが、PCのスケーリングという設定で、文字やアイコンの大きさを変更することができるので全く問題はありません。ソフトウエア側でも個別でスケーリング調整ができるようになっていて、最新のLightroomやPhotoshopは高解像モニターにも対応してます。

おすすめの組み合わせ

写真編集に適したモニターサイズと解像度の組み合わせは、コストを抑ええるなら24インチ&フルHD、使い勝手を重視するなら27インチ&WQHDが良いかと思います。

4K動画編集もするなら、27インチ以上の4Kがおすすめです。ただし、WQHDに比べると値段が若干高めになり、パソコンへの負担も増えるので、ある程度のスペックのPCが必要になってきます。

写真編集におすすめのモニター

初心者向け

趣味の範囲で写真の現像・編集を楽しむのであれば、ある程度の色域をカバーしたお手頃価格のモニターで十分です。もし、色を正確に調整したい場合は、別途でキャリブレーターを購入して、ソフトウェアキャリブレーションするというのも一つの手段です。

  • 予算:2~4万円前後

I-O DATA LCD-HC241XDB

I-O DATAのPhotoCrystaシリーズのLCD-HC241XDBは、AdobeRGBカバー率90%でありながらお手頃価格な24インチモニターでRAW現像初心者の方にもおすすめです。ただし、ハードウェアキャリブレーション対応ではありません

サイズ24インチ
解像度フルHD(1920×1080)
パネル種類ADS(IPSと同じ)
色域AdobeRGB 90%
カラーマネージメント対応×

ASUS ProArt PA248QV

ASUS ProArt PA248QVは、写真や動画編集、グラフィックデザインまでクリエーターや写真家向けのモニターでsRGBを100%をカバーした24インチのモデルです。HDR10やDisplayHDR 400などに対応し動画編集にも使いやすい仕様です。

サイズ24.1インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
パネル種類IPS
色域sRGB 100%
階調8bit
カラーマネージメント対応×
その他DisplayHDR 400、USB Type-C

Dell U2419H

DellのUシリーズのU2419Hはスペックが充実したハイエンド液晶モニターで、色域はsRGBを99%カバーしています。2019年発売でやや型落ちですが、写真編集のスペックとしては十分で、在庫があればお手頃価格で購入可能。

サイズ23.8インチ
解像度フルHD(1920×1080)
パネル種類IPS
色域sRGB 99%
カラーマネージメント対応×

Dell U2421E

DellのUシリーズのU2421Eは、スペックが充実したハイエンド液晶モニターで、色域はsRGBを99%カバーしていて、画面サイズがフルHDよりも少し高さあるWUXGAで作業がしやすいモデルです。

サイズ24.1インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
パネル種類IPS
色域sRGB 99%
カラーマネージメント対応×
その他USB Type-C

カラーマネージメントモニター

正確な色を再現したい場合は、モニター側で色調整ができるハードウェアキャリブレーション対応のカラーマネージメント機能付きモニターがおすすめです。

  • 予算:4~9万円前後

BenQ PD2700Q

写真編集用モニターとして一番のおすすめが、BenQ PD2700Qです。デザイナー向けの27インチのモニターで色域がsRGB100%カバーしているカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)です。10bit対応で機能としては十分でありながら、驚きのお手頃価格です。

サイズ27インチ
解像度WQHD(2560×1440)
パネル種類IPS
色域sRGB 100%
階調10bit
カラーマネージメント対応

BenQ PD2705Q

BenQ PD2705QはPD2700Qの後継バージョンで、スペックのほとんどが継承されたsRGB100%カバーしているカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)です。USB Type-CやHDR10対応になり、モニター枠のベゼルが細くなったり、よりすっきりとしたデザインになっています。

サイズ27インチ
解像度WQHD(2560×1440)
パネル種類IPS
色域sRGB 100%
階調10bit
カラーマネージメント対応
その他USB Type-C、HDR10対応

BenQ SW240

BenQ SW240は、写真編集に特化したカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)でAdobeRGB 99%をカバーした24インチのコスパモデルです。画面サイズはフルHDよりも若干高さがあるWUXGAなので編集作業がしやすいのが特徴です。

サイズ24インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
パネル種類IPS
色域AdobeRGB 99%
階調10bit
カラーマネージメント対応

ASUS ProArt PA24AC

ASUS ProArt PA24ACは、色にこだわるクリエーターや写真家向けのカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)でsRGB100%をカバーした24インチのモデルです。HDR10やDisplayHDR 400などに対応し動画編集にも使いやすい仕様です。

サイズ24インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
パネル種類IPS
色域sRGB 100%
階調8bit
カラーマネージメント対応
その他DisplayHDR 400、USB Type-C

ASUS ProArt PA27AC

ASUS ProArt PA27ACは、PA24ACの27インチのモデルで画面サイズがWQHD(2560×1440)と作業領域が広く、更にThunderbolt 3にも対応しているカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)です。

サイズ27インチ
解像度WQHD(2560×1440)
パネル種類IPS
色域sRGB 100%
階調8bit
カラーマネージメント対応
その他DisplayHDR 400、USB Type-C、Thunderbolt 3

EIZO ColorEdge CS2420-ZBK

EIZO ColorEdge CS2420-ZBKは、AdobeRGB 99%をカバーした写真編集やイラスト、CG、印刷物デザインなどのクリエーター向けカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)の24インチのWUXGA解像度のモデルです。

サイズ24.1インチ
解像度WUXGA(1920×1200)
パネル種類IPS
色域Adobe RGB 99%
階調10bit
カラーマネージメント対応

4K動画編集もするなら

写真編集だけでなく、4K動画の編集も行いたいという場合には、HDRや色域のRec.709をカバーしている4Kモニターがおすすめです。

  • 予算:6万円

BenQ PD2700U

BenQ PD2700Qは、デザイナー向けの27インチの4Kモニターで色域がsRGB 100%をカバーして、HDR10にも対応しているカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)です。

サイズ27インチ
解像度4K(3840×2160)
パネル種類IPS
色域sRGB 100%
階調10bit
カラーマネージメント対応
その他HDR10対応

LG 27UL850-W

LGの27UL850-Wは、27インチでスペック的にはBenQのPD2700Uと同等かそれ以上でありながら、USB Type-C対応で値段が抑えられたカラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)です。

サイズ27インチ
解像度4K(3840×2160)
パネル種類IPS
色域sRGB 99%
階調10bit
カラーマネージメント対応
その他HDR10、DisplayHDR 400、USB Type-C

プロ向けモニター

写真現像する上で全ての機能を持ち合わせたプロ向けのモニターです。

  • 予算:10万円以上

BenQ SW271

BenQ SW271は、写真編集に特化した27インチの4Kの解像度のプロ向けカラーマネージメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)です。動画編集にも対応したスペックなので、オールマイティに使えます。

サイズ27インチ
解像度4K(3840×2160)
パネル種類IPS
色域AdobeRGB 99%
階調10bit
カラーマネージメント対応
その他HDR10対応、USB Type-C

EIZO ColorEdge CS2731-BK

EIZO ColorEdge CS2731-BKは、本格カラーマネジメントモニター(ハードウェアキャリブレーション対応)でAdobeRGB 99%をカバーした27インチのWQHD解像度でバランスの取れたモデルです。

サイズ27インチ
解像度WQHD(2560×1440)
パネル種類IPS
色域AdobeRGB 99%
階調10bit
カラーマネージメント対応
その他USB Type-C

まとめ

アマチュアカメラマンにとってプロ向けモニターは必ずしも必要ありませんが、sRGBのほとんどをカバーしているモニターとキャリブレーターで正確な色で写真編集ができる環境が整います。一歩上の写真編集をするなら、是非、モニターをアップグレードしてみてはいかがでしょうか?

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ニュージーランド在住の写真家&グラフィックデザイナー。ニュージーランドの息をのむほど美しい絶景と空一面に広がる風景写真、星空と天の川の星景写真を中心に撮影。写真やカメラに関する情報をわかりやすく解説し発信しています。

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