星景撮影に最適なおすすめレンズの選び方!画角別で見る天の川比較

星景撮影に最適なおすすめレンズの選び方カメラ基礎知識

星空・天の川を含んだ美しい星景撮影のおすすめレンズは、広角でf値の少ない明るいレンズと言われていますが果たして本当なのでしょうか? 画角の違いによる癖や特徴、星空や天の川の写り方を理解して自分に合ったレンズを選ぶことが重要です。

今回は星景の画角別で写る天の川の大きさの比較と最適なおすすめレンズをご紹介します。

星景撮影に適したレンズの条件

まずはどのようなレンズが星景撮影に適しているか大まかに条件をまとめてみました。

f2.8以下の明るいレンズ

まず星景撮影のレンズとして最も重要となる条件が明るいレンズである事です。できればf2.8以下が望ましいです。

真っ暗な状況の星景撮影では、出来るだけ多くの光をカメラに取り込むことが出来るかが重要なポイントになってきます。f値の少ない明るいレンズを使う事で多くの光がカメラのセンサーに届きノイズ量が抑えられることが可能になります。

ISO感度を上げれば明るく写すことは出来ますが、物理的な光の量が多くなったわけではないので、ノイズ量が増えるというデメリットがあります。いくら高性能な高価なカメラであっても高感度ISOではノイズが顕著に出てしまいます。

例えば、f1.4とf2.8のレンズを比較すると、明るさに2段分の差があります。この2段分をISOで置き換えると1600と6400の違いになり、ノイズ量がかなり抑えられるのが想像できると思います。

星景撮影ではノイズを如何に抑えて綺麗に仕上げるかが最も難しい部分でもあるので、明るいレンズを使うと言う事は非常に大きなメリットなのです。特に星景写真の景色の細部を写すには、最低でもf2.8かそれよりも明るい単焦点レンズが適しています。

超広角~標準50mmの画角

星景写真では、風景と星空・天の川も一緒に撮影するので画角が狭いレンズだと非常に扱いにくくなります。また、望遠になればなるほど、露出時間と比例して星が線状に写りやすいと言うレンズの特徴があり、星景撮影で使用できる画角は超広角~標準50mm程度までとなります。

星空撮影で失敗しない適正露出時間とレンズ焦点距離の関係500ルール
星空や星景写真を撮影する時に気を付けたいのが、星が線状にならないように適正な露出時間に設定することです。星空撮影する時のシャッター時間は20~30秒が適正と言われていますが、厳密にいうとカメラのセンサーサイズの違いやレンズの焦点距離によって...

500ルールに当てはめると、以下の露出時間なら星が線状にならないことになります。

  • 超広角14mm 35秒
  • 広角24mm 21秒
  • 標準50mm 10秒

中望遠100mmになると露出時間は5秒となり、ISO感度を上げたとしても十分な明るさで撮影することが困難になります。

ですので、星景撮影で使用するレンズの画角は、現実的には超広角~標準50mm位の画角が星が線状にならない限界となります。

画角に風景を入れずに星空や天の川だけの天体撮影の場合は、星の動きと合わせて動く赤道儀を使えば、望遠レンズでの長時間露光が可能です。

収差や歪の少ないレンズ

星景撮影では出来る限り収差や歪の少ないレンズの方が良いですが、その分高価になってしまいます。特に四隅の周辺部の写りには大きな差が出てきますが、現像ソフトのLightroomである程度補正してくれるので、予算に応じたレンズでも十分だと思います。

収差

収差には、星が尖ったように写る『コマ収差』や星が少しぼんやりと流れたようになる『非点収差』と言った種類があり、その多くはレンズの構造上どうしても四隅周辺に発生してしまいます。

星空撮影すると四隅に出る星が丸くならず尖がった状態の『コマ収差』

歪み

丸いレンズの構造上広角レンズになればなるほど湾曲した歪みが発生しやすくなります。高価なレンズほどその歪みは抑えられていますが、四隅付近では星が細長く伸びた状態になりやすくなります。

超広角レンズの水平の歪み:Lightroomのレンズ補正で歪みが直せる場合が多い

画角の違いによる星空・天の川の写り方の比較

風景写真もそうですが、星景写真も画角の違いによって星空や天の川の写りが大きく変わってきます。特に天の川のサイズ星の数に大きな違いが出てきます

望遠レンズになればなるほど、細かな星まで写すことが可能になり、14mmと24mmでも明らかな差が確認できます。特に小さな星まで写すことのできる50mmの迫力は圧巻です。

レンズの画角の違いによる天の川のサイズの比較

14mm

14mmの画角は、かなり広範囲を撮影できるので風景と一緒に天の川全体を入れた構図に適しています。また狭いロケーションでも被写体に寄った状態で天の川を入れることができるので重宝します。

逆に被写体に近付けない場所では、被写体が小さくなりすぎて扱いにくい場合もあります。

NIKON D750 (14mm, f/2.8, 25 sec, ISO6400)
超広角レンズの14mmだと無理なく天の川と景色部分の両方を入れた構図が可能

NIKON D750 (14mm, f/2.8, 25 sec, ISO6400)
超広角14mmのレンズで撮影した星景写真:天の川を広い範囲で写せる

24mm

24mmは一般的な広角レンズの画角になるので、慣れている分感覚的に構図を決めやすく扱いやすいと言えます。天の川の中心部分は画角内に収まり、14mmと比べると天の川に迫力が増し、捉える星の数も多くなります。

また、24mm位の画角になると歪みが抑えられるので、クオリティの高いバランスの取れた星景写真を撮るには最適なレンズになります。

NIKON D750 (24mm, f/1.4, 20 sec, ISO6400)
広角24mmで撮影した天の川は程良い大きさで迫力があり、風景部分とのバランスが取りやすく星景におすすめのレンズ

35mm

35mmは広角レンズでも若干画角が狭くなるので星景写真の場合は、天の川と景色を入れた構図のバランスが難しくなりますが、上手く撮れれば天の川の迫力が増します。シャッタースピードも短めになってくるので、星景初心者にとっては少し扱いにくいレンズです。

NIKON D750 (35mm, f/1.8, 13 sec, ISO3200)
SIGMA Art 35mm f1.4 DG HSM:天の川の迫力は増すが、画角が狭くなるので撮影場所が限られる

50mm

標準50mmの画角になると天の川の中心部分が画面いっぱい位の大きさに写り、風景を一緒に入れるには若干難しいレンズになりますが、天の川を大きく写すことが可能で小さな星も捉えることが出来るので、圧巻の迫力に仕上がります。50mmだと過焦点距離が長くなるので被写体との距離を十分に取らないとパンフォーカスするのが難しくなります。

星景写真での50mmレンズの撮り方としては縦位置でパノラマ撮影して合成すると言った方法に向いています。ワンショット(一枚撮り)で撮るなら天の川が低い位置にあり、稜線をぎりぎり下の方に入れると言った構図になるかと思います。

ニコンの撒き餌レンズ50mm f1.8Gで撮影した天の川(パノラマ合成)

ニコンの撒き餌レンズ50mm f1.8Gで撮影した天の川の星景写真

星景撮影向けのおすすめレンズ一覧

星景撮影向けのレンズには単焦点と広角ズームの選択肢があります。

単焦点レンズの大きなメリットは明るさです。f2.8以下の明るさを求めるなら単焦点レンズがおすすめです。一方、広角ズームレンズの場合は、明るくてもf2.8と選択肢が限られてきますが、1本のレンズで画角が変えられると言うメリットもあります。

APS-C用の広角レンズで明るいレンズが非常に少ない為、今回ご紹介するレンズはフルサイズ機ばかりですが、フルサイズ用の超広角レンズならAPS-C機に使えば、広角レンズとして使う事が出来ます。14mmならAPS-C機で使うと21~22mm程度の広角になります。

超広角単焦点レンズ

超広角単焦点レンズでf2.8以下の明るさとなると選択肢が限られてきます。

SAMYANG 14mm f2.8

SAMYANGのフルサイズ対応の超広角14mmの単焦点マニュアルレンズは、お手頃価格な星景撮影には定番のレンズで、海外では非常に人気で定評があり初心者にもおすすめです。ただし、超広角なだけに湾曲した歪みが若干多く、周辺減光が多めなのが弱点です。

SAMYANG XP 14mm f2.4

SAMYANGの旧モデルの欠点を大幅に改善させた新しいXPシリーズの超広角14mmの単焦点マニュアルレンズです。f2.4の明るさになり、デザインは丸みを帯び、価格はちょっと高めの設定になっています。

SIGMA Art 14mm f1.8 DG HSM

SIGMAのArtシリーズ超広角14mm単焦点レンズは、驚異のf1.8の明るさでオートフォーカスありです。重量は1kg越えで若干重めになります。14mmの超広角レンズの中では群を抜いて明るいレンズになります。f1.8というのは、f2.8よりも約1段と1/3分明るく、星景撮影ではかなりのアドバンテージになります。

SONY FE 14mm F1.8 GM

ソニーのGマスターシリーズの14mm f1.8は、全長約10cmで重量460gと非常にコンパクトな超広角単焦点レンズです。14mmと超広角にもかかわらず歪を抑え、サジタルフレアが少なめで星景撮影にも向いているのが特徴です。出目金レンズですが、リヤフィルターの装着が可能なので、高価な角型フィルターが不要になります。

超広角ズームレンズ

NIKON AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED

超広角ズームレンズ14-24mmはニコンの大三元レンズの内の一つで、歪が少なく隅々まで解像してくれる多くのプロが使用するレンズで、通しでf2.8の明るさで星景撮影でも定評があります。性能が故に金額もカメラ本体並みなので、違いの分かるこだわり派におすすめです。

SIGMA Art 14-24mm f2.8 DG HSM

シグマのアートラインの超広角ズームレンズ14-24mmはニコンの大三元レンズと同等のスペックで値段もサードパーティ製にしては高めになります。キヤノン純正の超広角ズームレンズだと16-35mm f2.8と広角側にやや不満があるキヤノンユーザーにとっては一つの選択肢としておすすめです。

SIGMA Art 14-24mm f2.8 DG DN

シグマのArt 14-24mm F2.8 DG DNはミラーレス専用に新設計され、星景写真用レンズと謳っているだけあって、写りには定評がある超広角ズームレンズです。出目金レンズですが、フィルターは後玉部分につけるリアフィルターを採用しているのが特徴です。

TAMRON SP 15-30mm f2.8 Di VC USD

望遠側が30mmまであるタムロンの超広角ズームレンズは手振れ補正機能がある為、星景写真だけでなく普段使いの風景写真レンズとしても使い勝手が良いです。星景用レンズとしては根強い人気があります。

新型モデルでは手振れ補正などの改良点が多数あり高画素カメラに対応。

TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD

タムロンのミラーレス専用の通しf2.8の超広角ズームレンズは、重量420gでフィルター径67mmのコンパクト設計で、価格もシグマに比べると若干抑えられていて星景レンズとしても非常に人気があります。広角側が17mmという点が唯一の悩み所。

TOKINA AT-X 16-28 f2.8 PRO FX

広角レンズの1mmの差と言うのは意外と大きいので、超広角としての画角では若干物足りなさはあるかもしれませんが、通しでf2.8の明るさがあり、星景写真のレンズとしての性能は十分です。しかも、超広角ズームレンズでありながら、価格が10万円を切りお手頃感があります。

広角単焦点レンズ

ニコン純正の単焦点レンズの場合、f1.4とf1.8の僅かな明るさの違いでありながら価格に大きな差がありますが、サードパーティ製ならf1.4でも手の届きそうな価格帯になっています。f値が少ない為、広角レンズでも良くボケてくれるので、星景撮影だけでなくスナップやポートレートでも使えます。

SAMYANG 24mm f1.4

Samyangの24mmはf1.4というスペックでありながら、マニュアルレンズの為、他社に比べると価格は抑えられています。抜群の解像力で開放でもコマ収差が抑えられ歪みも少ない星景撮影にはおすすめのレンズです。

SAMYANG AF 24mm f1.8 FE

SamyangのTinyシリーズのオートフォーカスの24mm f1.8は、230gと超軽量&コンパクトで星景・天体向け機能を備えてる単焦点レンズです。絞り開放からシャープな解像感でコマ収差も非常に少ない星景撮影におすすめのお手頃価格のレンズです。

SIGMA Art 24mm f1.4

シグマのアートシリーズ24mm f1.4は海外では星景撮影のレンズとして人気があるようです。海外のレビューを参考にすると、Samyangと比べると若干コマ収差が出やすいようですが全然許容範囲だと思います。

SONY FE 24mm F1.4 GM

ソニーのGマスターシリーズの24mm f1.4は、最高クラスの収差の少なさで国内外で評価の高い星景撮影におすすめの広角単焦点レンズです。全長92.4mm、重量445g、フィルター径67mmと非常にコンパクトな点も星景撮影でも重宝します。

NIKON AF-S NIKKOR 24mm f1.4G ED

ニコン純正の24mm f1.4になるとかなり高額になってしまいます。星景撮影用にするにはならサードパーティ製でも十分かもしれません。

NIKON AF-S NIKKOR 24mm f1.8G ED

ニコン純正でも24mm f1.8となるとサードパーティ製並みの価格になりお手頃感が出てきます。手振れ補正ありの軽量で最短撮影距離が短いレンズなので星景撮影以外にも使い勝手は良さそうです。

SAMYANG 35mm f1.4

マニュアルレンズの為、価格は抑えられていますが、写りは非常に良いと定評があります。

SIGMA Art 35mm f1.4 DG HSM

シグマのアートシリーズの35mm f1.4はオートフォーカスありで星景撮影以外にも使い勝手は良好です。

NIKON AF-S NIKKOR 35mm f1.4G

ニコン純正f1.4シリーズの35mm。

NIKON AF-S NIKKOR 35mm f1.8G ED

35mm f1.4と比べるとスペック的にf1.8は暗くなりますが、星景撮影には十分の明るさがあり、価格も純正レンズとしてはかなり抑えられています。

標準単焦点レンズ

わざわざ星景撮影用に50mm単焦点レンズを買い揃える人はいないと思いますが、明るいレンズであれば撮影ができます。少し画角が狭いので使える場所が限られてきますが、迫力ある天の川が撮影出来ます。

NIKON AF-S NIKKOR 50mm f1.8G

ニコンの撒き餌レンズと言われる50mmf1.8でも十分な明るさがあるので星景写真に使う事が出来ます。

SIGMA Art 50mm f1.4 DG HSM

50mmでもf1.4なのでISO感度を抑えつつ星景撮影ができるレンズです。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
カメラ基礎知識星空・天の川
スポンサーリンク
アバター

新潟在住の写真家&グラフィックデザイナー。約19年間住んでいたニュージーランドの絶景を写真に残そうと思ったのが写真を始めたきっかけで、風景写真、星空と天の川の星景写真を中心に撮影。写真やカメラに関する情報をわかりやすく解説し発信しています。

フォローする
フォトグラファン