星景向けレンズにおすすめ!Samyang AF 24mm f1.8 FEレビュー

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おすすめ星景向けレンズ!Samyang AF 24mm f1.8 FEレビュー カメラ・機材

ニコンからソニーに乗り換えて星景用の広角単焦点レンズとして、Samyang AF 24mm f1.8 FEを購入しました。2021年6月発売の比較的新しいレンズで、しかも星空・天体写真向けのアストロフォーカスモード機能付きで比較的お手頃価格なオートフォーカスレンズです。

今回は、広角単焦点レンズSamyang AF 24mm f1.8 FEを、星景撮影用としての目線で実例と共にレビューをしたいと思います。

最初は小型で高性能なソニー純正FE 24mm F1.4 GMを程度の良い中古品で買うつもりだったのですが、買うタイミングに価格相場が上がりお買い得感がなくなってしまったので、別のレンズを探していた所、Samyang AF 24mm f1.8 FEを偶然発見しました。

他の候補としてシグマ 24mm F1.4 DG HSM Artがあったのですが、ミラーレス用のレンズとしては大きく重たいといった印象だったので、軽量コンパクトなSamyang AF 24mm f1.8 FEを選択しました。

超小型&軽量で携帯しやすい単焦点レンズ

Samyangから発売されているTinyシリーズのAF 24mm f1.8 FEは、天体や星景撮影向けの機能を搭載した超軽量&コンパクトなオートフォーカスレンズです。現在はソニーのEマウント用のみで、残念ながら他社マウントはありません。

SamyangのTinyシリーズのAF 24mm F1.8 FEの重さはわずか230gで、フィルター径は58mm、全長71.5mmと手のひらサイズの非常に小型のレンズで、写真で見るより実際に手にすると驚くほどコンパクトです。常時携帯していもて苦にならない大きさなので、星景や風景撮影だけでなく、様々な撮影シーンに使えるレンズです。

手のひらサイズのSamyang AF 24mm

手のひらサイズのSamyang AF 24mm f1.8

24mmの明るい単焦点レンズは各メーカーで発売されていますが、F1.4になるとサイズが大きくなりがちで価格も少しお高めの印象ですが、このSamyang AF 24mm F1.8 FEは、コンパクトさを損なわないようにF1.8に抑えているのがポイントです。また、価格のほうも6万円弱と星景初心者の方にもおすすめできるレンズです。

ちなみにソニー純正の単焦点レンズFE 24mm F1.4 GMは、重さ445g、全長92.4mm、フィルター径は67mmで比較的小さいレンズですが、価格が16万円前後とかなり高価でなかなか手を出しにくい存在です。

Samyang AF 24mm f1.8 Sony 24mm f1.4 GM
重量 230g 445g
全長 71.5mm 92.4mm
フィルター径 58mm 64mm
値段 6万円弱 16万円前後

星景・天体向けのアストロフォーカスモード機能が便利!

Samyang AF 24mm F1.8 FEの最大の特徴は、天体や星景撮影の際に簡単に無限遠にピント合わせができるアストロフォーカスモード機能です。

Samyang AF 24mm F1.8 FEにあるフォーカスホールドボタンを押すと、自動的に無限遠の位置にピントが合うので、天体や星景撮影、夜景撮影時にマニュアルでピント合わせする必要がなく、すぐに撮影を始めることが可能になります。

実際にアストロフォーカスモードを撮影現場で使ってみましたが、非常に便利です!暗い場所での面倒な星へのピント合わせをすることなく、すぐに撮影できるのは大きなメリットです。

アストロフォーカスモードの使い方

通常の状態だとアストロフォーカスモード機能を使うことができないので切り替える必要があります。

アストロフォーカスモードの起動

アストロフォーカスモードを起動するには、2種類の方法があります。

1つ目は、カメラ本体の電源をONの状態の場合は、フォーカスホールドボタンを押しながらSamyang AF 24mm F1.8 FEのレンズを取り付ける方法です。

2つ目は、カメラ本体の電源はOFFの状態で既にレンズを装着している状態なら、フォーカスホールドボタンを押しながらカメラ本体の電源をONにする方法です。

アストロフォーカスモードが起動すると、自動的にカメラ本体がMFに切り替わり無限遠にピントが合った状態になります。
※Samyang AF 24mm F1.8 FEのレンズ側にはAF/MFの切り替えボタンがありません。

アストロフォーカスモードの操作方法

フォーカスホールドボタンの直ぐ横にあるLEDランプが緑色の場合は、ピント位置が無限遠に合っている状態になります。

無限遠にピントが合っている状態

アストロフォーカスモードで無限遠にピントが合っている状態

LEDランプが赤色の場合は、フォーカスリングを動かすなどして無限遠からピントが外れている状態なので、再度フォーカスホールドボタンを押すことで自動的に無限遠のピント位置に戻り、LEDランプが緑色に切り替わります。

無限遠にピントが合っていない状態

アストロフォーカスモードで無限遠にピントが合っていない状態

無限遠のピント位置の修正方法

もし出荷時の初期設定で無限遠のピント位置がずれている場合は、自分で設定しなおすことができます。

自分でMFで無限遠にピントを合わせたら、フォーカスホールドボタンを3秒間押し続けると、カメラ本体の液晶画面が1回点滅し、LEDランプが緑色に切り替わったら設定完了です。

コマ収差が少ない

星景写真で気になるのがコマ収差と言われる、星が点や円状にならず、星が尖ったように写る現象で、できるだけコマ収差の少ないレンズが星景向きのレンズと言えるのですが、高価なレンズであっても発生しがちです。しかし、Samyang AF 24mm F1.8 FEはかなり優秀で、他の高価なレンズと比べてもコマ収差はかなり少ない印象です。

コマ収差の実例

実際にSamyang AF 24mm F1.8 FEを使って、絞り解放F1.8からF2.8まで0.3段ずつ絞ったコマ収差の変化を比較してみました。とりあえず、統一するためにホワイトバランスと露出を補正していますが、それ以外はそのままです。

F1.8

まずはF1.8の全体を見てみると、ネット上で見るサイズであればコマ収差は全く気にならないレベルです。若干四隅の周辺減光がありますが、Lightroomなどの現像ソフトで補正すれば問題ないかと思います。

Samyang AF 24mm F1.8 @ f1.8

Samyang AF 24mm F1.8のf1.8で撮影した全体像

次に四隅を等倍(100%)サイズでトリミングした画像です。片側だけに尾を引くようなコマ収差が若干発生していますが、絞り解放のf1.8にしては、かなり抑えられているかと思います。明るめの白い星の縁に、青いフリンジが若干発生していますが、許容範囲かと思います。

F1.8のコマ収差

左上

F1.8のコマ収差:右上

右上

下側の左右は、目立ったコマ収差はほとんど発生していません。

F1.8のコマ収差:左下

左下は目立つコマ収差はほとんど無し

F1.8のコマ収差:右下

右下もコマ収差が少ない

F2からF2.8の比較

コマ収差が一番目立った左上の部分を等倍(100%)サイズでトリミングした画像で、F2、F2.2、F2.5、F2.8を比較すると、F2にしただけでもコマ収差が抑えられ星がより円状になるのが確認できました。

F1.8のコマ収差:左上F2のコマ収差:左上
F1.8のコマ収差:左上F2.2のコマ収差:左上
F1.8のコマ収差:左上F2.5のコマ収差:左上

F2.8まで絞ればコマ収差はほぼ無くなり星が丸くなります。

F1.8のコマ収差:左上F2.8のコマ収差:左上

大きめに印刷する場合は細部もハッキリと判るので、少し絞ったりするなどの対応は必要ですが、ネット上に公開して、モニターで鑑賞する目的であれば、F1.8のコマ収差程度なら全く問題ないレベルだと思います。

F1.8で明るさは十分

確かに星景写真を撮る際に明るいレンズの方が有利なので出来ればF1.4あるといいのですが、実際の星景撮影でF1.4のレンズを使っても、収差のことを考えて、若干絞ってF1.8かF2位で撮影することが多いので、あまり気にならないかと思います。

Samyang AF 24mm F1.8 FEの場合は、絞り開放のF1.8でもコマ収差が少なく、四隅もシャープな写りなので絞らずそのまま使える為、結果的にF1.4のレンズで絞って使うのと明るさは同じになります。

理想は、F1.4のままでも収差がなく、四隅がシャープに写るレンズですが、現状ではそういった完璧なレンズがほぼ存在しないので、F1.8で収差が少なければそれでOKではないでしょうか?

シーリングで防塵・防滴

意外と見落としがちな防塵・防滴ですが、Samyang AF 24mm F1.8 FEは、5ヶ所にウェザーシーリングを施しているので、埃、雨や雪、水滴などがレンズ内部への侵入を防ぐことができます。撮影環境が比較的ハードな星景撮影では、シーリングが施されている防塵・防滴のレンズの方が安心感があります。

カスタムスイッチは必要!?

Samyang AF 24mm F1.8 FEには、フォーカスホールドボタンの近くに配置されたM1とM2に切り替えるカスタムスイッチがあるのですが、現状は不要な気がします。個人的にはカスタムスイッチの代わりにAF/MFの切り替えボタンの方が格段に使い勝手が良くてありがたいのですが…。

将来的には、レンズドック(レンズステーション)を使うことで、レンズのアップデートや機能追加などでカスタムスイッチの割り当てなどが変更可能になりそうなので、期待したい所です。

Samyang AF 24mmカスタムスイッチ

M1:フォーカスリングモード

M1は、カメラ本体の設定がMFになっている場合に、フォーカスリングがフォーカスリングとして機能します。

M2:絞りリングモード

M2は、カメラ本体の設定がAFになっている場合、フォーカスリングが絞りリングとして機能します。但し、絞り調整はカメラ本体側で簡単にできるので、レンズ側で絞り調整する必要もないかと思います。

Samyang AF 24mm F1.8 FEの星景写真の作例

α7R IVにSamyang AF 24mm F1.8 FEを組み合わせた星景の作例です。

Samyang 24mm f1.8 FEの作例

SONY ILCE-7RM4 (24mm, f/1.8, 15 sec, ISO6400)
Samyang AF 24mm f1.8 FEの作例

新潟魚沼の雪流れと天の川

SONY ILCE-7RM4 (24mm, f/2, 13 sec, ISO4000)
Samyang AF 24mm f1.8 FEは星景写真に使いやすい

まとめ

ニコンの一眼レフを使っていた時はSamyang 14mm f2.8から始まり、その後は24mm f1.4 MFを愛用していたのですが、Samyang AF 24mm F1.8 FEのコンパクトさにビックリしました。

Samyang AF 24mm F1.8 FEは、お手頃価格でありながらコマ収差が少なく、コンパクトで携帯性に優れているので星景レンズとしては非常におすすめです。オートフォーカス性能も優れているので、風景写真や動画撮影にも使えるオールマイティな広角単焦点レンズかと思います。

ソニーEマウントのみですが、これから星景や星空を撮影しようと思っている方にはおすすめできる単焦点レンズの一つです。