2026年8月に発売されたタムロン 12-20mm f2.8の「体験モニターキャンペーン」に応募したところ、見事に当選し1カ月間無料でお借りする事ができたので、星景撮影をメインとした目線で実例と共にレビューします。
タムロン12-20mm f2.8の基本スペック

タムロン12-20mm f2.8(A084)はフルサイズ対応のAFの超広角ズームレンズで、対応マウントはソニーE、ニコンZが用意されています。絞りはf2.8~f16でクリックON/OFFの切り替えが可能で動画撮影でも使用しやすい作りです。その他にもAF/MFスイッチ、カスタムスイッチ、ズームロックなど様々なスイッチやボタンが搭載されて、レンズ側でコントロールしやすくなっているのが特徴です。
今までのシンプルな感じのタムロンのレンズとは一線を画したデザインと機能で、タムロン12-20mm f2.8はフラッグシップ的存在かと思います。
ソニーユーザーであれば、タムロン12-20mm f2.8に近いスペックのSONY FE 12-24mm F2.8 GM SEL1224GMを思いつくかと思いますが、タムロン12-20mm f2.8のほうが一回りコンパクトで、重量も280g程軽量になります。
| TAMRON 12-20mm f2.8 | SONY 12-24mm f2.8 | |
|---|---|---|
| 外寸(直径 x 長さ) | 90 x 119.3 mm | 97.6 x 137 mm |
| 重量 | 570 g | 847 g |
| 絞り | f2.8 – f16 | f2.8 – f22 |
| 最短撮影距離 | 18 cm | 28 cm |
| 実売価格 | 約30万円 | 約40万円 |
タムロン12-20mm f2.8が星景レンズとしておすすめな理由
星景に打ってつけの12-20mmという絶妙な画角
広角端の12mmと言うのは想像以上に画角が広く不要な物も写り込んでしまい扱いにくい場合もありますが、逆に12mmでしか撮れない風景もあり、冬のダイヤモンドやオーロラ、流星群などのできるだけ広い範囲を撮影したい星景では非常に有効かと思います。
タムロンがあえて望遠側を24mmではなく20mmにしたのは、軽量&コンパクトにこだわって、更には星景レンズとしても意識しているのが推測できます。星景撮影で24mmの画角だと少し狭く感じる場面も少なくないので、望遠側が必ずしも24mmである必要はなく、20mmまであれば十分かもしれません。
超広角ズームとしては軽量
タムロン12-20mm f2.8が超広角ズームというスペックを考慮すると、非常にコンパクトなサイズ感で、何よりも軽量です。私が普段使っているソニーの標準ズームのFE 24-105mm F4 G OSS(SEL24105G)と同じ位のサイズ感ですが、実際にカメラにレンズを装着して持ってみると明らかにタムロン12-20mm f2.8の方が軽さが際立ちます。しかも、レンズの前方が重たく無く、全体的にバランスが取れていて扱いやすいのが特徴です。

同じサイズ感のTamron 12-20mm f2.8とSony 24-105mm f4
| TAMRON 12-20mm f2.8 | SONY 24-105mm f4 | |
|---|---|---|
| 外寸(直径 x 長さ) | 90 x 119.3 mm | 83.4 x 113.3 mm |
| 重量 | 570 g | 663 g |
広角端の絞り開放f2.8でもシャープ
タムロン12-20mm f2.8は、絞り開放f2.8で広角端の12mmであっても、四隅は驚くほどのシャープさです。星景撮影では絞り開放のf2.8で撮る場合がほとんどなので、四隅がシャープである事は非常な重要なポイントになります。
タムロン12-20mm f2.8の四隅のシャープさをテストするため、分かりやすいように日中の明るい環境で広角端の12mmでf2.8、f4.0、f5.6、f8.0の一段ずつで撮影しました。カメラはソニーa7R IVで6100万画素の高画素機です。
右上部を等倍(100%)でトリミングした画像でそれぞれを比較してみます。風が少し強く木が揺れてるので、建物部分を比較するとシャープさが分かるかと思います。

まずは、f2.8とf4.0を比較してみると、建物の文字部分がf4.0の方が若干鮮明でシャープになっているのが確認できますが、1段絞っただけだと大きな差は無いようにみえます。それだけf2.8でも十分シャープと言えます。広角端12mmの絞り開放でこのシャープさは驚きです。


次にf2.8とf5.6を比較してみます。さすがに2段絞るとシャープさの違いが明らかです。建物の文字がより鮮明で人工物のエッジがシャープになっているのが確認できます。


最後にf5.6とf8.0を比較してみます。f8.0の方が若干ディテールが鮮明になっているのが確認できますが、f5.6でもかなりシャープな印象です。


フォーカスロック機能
タムロン12-20mm f2.8には物理的なMFフォーカスロックボタンがあり、フォーカスリングの操作を無効化させ、不意のリングの誤操作によるピントズレを防ぐ事ができます。特に星景撮影でレンズヒーターを装着する際には重宝する機能で、フォーカスロックがあると安心です。

アストロフォーカスロック(FC-L)機能
アストロフォーカスロック(FC-L)は、レンズとスマホをUSBケーブルで接続してTAMRON Lens Utilityと言う専用アプリの機能で、タムロン12-20mm f2.8でも使用する事ができます。
このアストロフォーカスロック(FC-L)機能は、自動的に無限遠にピントを合わせてくれると同時にフォーカスロックもかかる星景撮影にとっては神機能です。
あらかじめレンズのフォーカスホールドボタンにこの機能を割り当てておけば、USB接続不要でアプリを起動してなくても、ボタンを押すことで無限遠に自動でピントを合わせる事ができ、時短になり非常に便利です!

ズームロック機能
ズームロック機能は広角端12mmと望遠端20mmの両端で画角の固定が可能で、使用頻度の高い画角において、撮影中の不意なズレを防ぎ、意図した構図を安定して維持します。また、リングを回すだけでロックを簡単に解除できるため、次の操作へもスムーズに移行できます。

リアフィルターホルダーを搭載
タムロン12-20mm f2.8のレンズ後方にリアフィルターホルダーがあるので、市販のシートタイプのフィルターシートを自分で切って挿入することができます。星景撮影用のシートタイプのソフトフィルターと相性が良さそうです。
タムロン12-20mm f2.8のコマ収差の実例
星景レンズとして使う場合、やはり気になるのがコマ収差(サジタルコマフレア)やフリンジですが、実際に6100万画素のソニーa7R IVにタムロン12-20mm f2.8を装着して、絞り開放f2.8でシャッタースピードは10秒で撮影した星景写真で中央と四隅付近をチェックしてみました。
絞り開放f2.8で撮影した画像全体を見てみると、拡大しなければコマ収差は全く気にならないレベルです。

極端なコマ収差はほとんど見られない
絞り開放f2.8の中央
まずは絞り開放f2.8で撮影した中央付近の等倍(100%)でトリミングした画像ですが、星像はほぼ点でコマ収差は見られません。フリンジもほぼ無く、等倍でも全く気になりません。

絞り開放f2.8の右上
次に絞り開放f2.8で撮影した右上の隅付近の等倍(100%)でトリミングした画像です。星像の一部が僅かですが尖っていますが、コマ収差はかなり抑えられています。明るい星に青っぽいフリンジが極僅かに発生していますが、ほぼ気にならないレベルです。非常に優秀なレンズです。

絞り開放f2.8の左上
最後に絞り開放f2.8で撮影した左上の隅付近の等倍(100%)でトリミングした画像です。星が尖ったようなコマ収差はないように見えます。明るい星に青っぽいフリンジが極僅かに発生していますが、許容範囲で問題ありません。
星像が若干細長くなっていますが、方角によって星の動きに違いによるもので、レンズが原因ではありません。

タムロン 12-20mm f2.8の作例
今回は、体験モニターキャンペーンでタムロン12-20mm f2.8をお借りしていたので、1カ月間という限られた期間だったので、星景写真の作例をあまり撮ることができませんでした。しかも、今年の9月は雨ばっかりの異常気象で風景写真を撮るのも苦労しました。
今回はあえて広角端の12mmだけの作例にしてみました。超広角の12mmに興味を持っている方も多いかと思いますので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
まず1枚目は、灯台と鳥居と天の川の一枚撮りの星景写真。カメラの設定は、焦点距離12mm、絞り開放f2.8、シャッタースピード13秒、ISO 3200。焦点距離12mmだからこそ可能なアングルで、かなり鳥居に近付いて撮影しました。四隅付近であっても細かな星がシャープに写る描写力には驚きです。
2枚目は、灯台と天の川の星景写真。ノイズ軽減の為に、空は20枚をスタックさせ、地上部分は別撮りして合成しています。空は、焦点距離12mm、絞り開放f2.8、シャッタースピード15秒、ISO 6400。地上は、、焦点距離12mm、絞り開放f2.8、シャッタースピード120秒、ISO 800。
3枚目も同じ撮影場所で別アングル。カメラ設定は2枚目と同じです。
総評
タムロン12-20mm f2.8は、簡単に言うと星景向けレンズとして痒いところに手が届くレンズと言った感じです。f2.8という明るさや機能的にも、やはり星景を意識して作られたレンズかと思います。何といってもf2.8の絞り開放でも四隅付近のシャープな描写力には驚かされました。
12mmスタートでf2.8のレンズはかなり希少で、魚眼レンズの様に水平線が歪むことないので、風景撮影や建築物など様々な被写体でも活躍しそうです。画角が広いので、オーロラや流星群をハイクオリティで撮りたい人にはピッタリなレンズではないでしょうか?
価格はサードパーティ製としては決してお手頃ではありませんが、高性能&高機能であると事を考慮すると妥当なのかと思います。





