LGモニターをハードウェアキャリブレーションで正確な色にする方法

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LGのモニターをハードウェアキャリブレーションする方法 カメラ・機材

正確な色で写真編集をするにはカラーマネージメントモニターがおすすめですが、自分の目的や環境に合わせてキャリブレーションする必要があります。

カラーマネージメント機能付きモニターをハードウェアキャリブレーションするには、専用のソフトウェアが必要で、LGの場合は、LG Calibration Studioという無償配布しているソフトウェアを使って行います。

今回は、LGのカラーマネージメントモニターをLG Calibration Studioを使ってハードウェアキャリブレーションする手順・方法を詳しく解説します。

ちなみに私が所有しているのはLGの27UL850-Wというモデルですが、LGのカラーマネージメント対応モニターであれば、方法は同じなので参考にして頂ければと思います。

ハードウェアキャリブレーションに必要なもの

ハードウェアキャリブレーションを行うには、専用ソフトウェアとキャリブレーターが必要になります。

LG Calibration Studio(専用ソフトウェア)

カラーマネージメント機能付きモニターをハードウェアキャリブレーションするには、モニターのメーカーが提供している専用のソフトウェアが必要になります。LGの場合は、LG Calibration Studioというソフトウェアになります。

ダウンロード手順

LG公式のウェブサイトから無料でダウンロードすることができます。

LG ソフトウェア&ファームウェア | LG Japan

該当する製品名を入力すると、製品に関連したソフトウェアやドライバーの一覧が表示されます。

LG Calibration Studioのダウンロードページ

LG Calibration Studioのダウンロードページ

一覧からLG Calibration Studioを探し出してダウンロードします。Windows用とMac用があるので注意してください。

LG Calibration Studioを選択する

LG Calibration Studioを選択してダウンロードする

キャリブレーター

ハードウェアキャリブレーションを行うにはモニターとは別途で色を正確に計測するキャリブレーターを購入する必要があります。LG Calibration Studioのソフトウェアに対応するキャリブレーターは以下になります。

  • LG Electronics:LG Calibrator(ACB8300)
  • X-rite:ColorMunki Photo、ColorMunki Design、i1DISPLAY Pro、 i1DISPLAY Pro Plus、i1Pro2
  • Data Color:Spyder5、SpyderX
  • Colorimeter Research:CR-100

そこそこ有名なキャリブレーターであれば問題なく使えるかと思います。LGのカスタマーサポートに問い合わせた所、生産終了となったX-rite社の1DISPLAY Proの後継機ColorChecker Display Proは今の所は対応していないようです。キャリブレーターをこれから購入する方は、Datacolor SpyderX Eliteが無難かと思います。

LG Calibration Studioの使い方と手順

LG Calibration Studioをインストールし、起動させます。

モニターとパソコンとキャリブレーターを接続する

  1. モニターとPCを接続(通常の状態なので何もしなくてOK)
  2. モニターとPCをUSBで接続(モニター側USB Type-C ⇔ PC側USB Type-A)
  3. モニターとキャリブレーターをUSBで接続

以下のようにモニター、PC、キャリブレーターを接続します。

モニターとパソコンとキャリブレーターを接続する

モニターとパソコンとキャリブレーターを接続する

目標値の設定

キャリブレーターを使って較正を行う前に、色域、色温度、輝度、ガンマを設定します。

LG Calibration Studioの目標値の設定

LG Calibration Studioの目標値の設定(色域、色温度、輝度、ガンマ)

ウェブ用の場合

写真をSNSやブログなどウェブ上にアップする事が主な目的の場合は、ウェブに合った設定がおすすめです。

  • 色域:sRGB
  • 色温度 :6500K前後
  • 輝度:100から120 cd/㎡
  • ガンマ:2.2

色温度は、簡単に言うと白色を白にする為の調整になります。一般的なsRGB規格のPCモニターやノートパソコンなどは6500Kが基本となっているのでウェブ用途であれば6500Kで大丈夫です。

輝度は部屋の明るさによりますが、明るめ部屋なら120cd/㎡,暗めの部屋なら100cd/㎡前後で大丈夫かと思います。暗めの部屋で120 cd/㎡にすると明る過ぎて目が疲れるので、暗めに設定するのがおすすめです。

印刷用の場合

写真を印刷する機会が多い場合は、印刷に合った設定がおすすめです。

  • 色域:AdobeRGB
  • 色温度:5000K前後もしくは6500K前後
  • 輝度:80から120 cd/㎡
  • ガンマ:2.2

色域は、印刷目的であれば色域の広いAdobeRGBを選択するのが良いかと思います。プルダウンの選択肢にAdobeRGBが無い場合は、『ファイルをロードする』をクリックすると、カラープロファイルの一覧から『AdobeRGB1998.icc』を選択し、AdobeRGBが選択できるようになります。

印刷用の色温度の設定は、日本の印刷業界の日本印刷学会推奨規格に合わせると5000Kですが、部屋の照明に合わせた方が良いので、部屋の照明が昼白色の場合は5000K前後、昼光色の場合は6500K前後にします。もし、印刷にこだわるなら昼白色の5000Kの照明にするのが良いかもしれません。

輝度はWEB用より少し暗めの設定ですが、部屋の明るさに合わせて、明るめ部屋なら120cd/㎡,暗めの部屋なら80cd/㎡位に調整するのがおすすめです。

キャリブレーターを使って較正

キャリブレーターとモニター画面に隙間が無いようにセットします。今回使用したキャリブレーターは、X-rite社の1DISPLAY Proです。

キャリブレーターとモニター画面に隙間が無いようにセット

キャリブレーターとモニター画面に隙間が無いようにセット

『開始』ボタンをクリックして較正を開始します。

開始ボタン

開始ボタンをクリック

後は10から15分ほど待てばキャリブレーションが完了し結果が表示されます。『前』『後』をクリックすると補正前と補正後を比較できます。

LG Calibration Studioの適用後

LG Calibration Studioの適用後

私が所有しているLGのモニター27UL850-Wの場合は、ピクチャー設定でキャリブレーション設定1と2が選択できるようになっているので、ウェブ用と印刷用の2つを登録しておくと、簡単に切り替える事ができます。

まとめ

ハードウェアキャリブレーションは、各モニターメーカーのソフトにもよりますが、一般的に設定する項目が少なく、あとはキャリブレーター任せで完了するので、ソフトウェアキャリブレーションに比べても簡単に行う事ができます。

カラーマネージメントモニターを購入しっぱなしで、キャリブレーションをしないと宝の持ち腐れになってしまいます。モニターは使っているうちに徐々に色が変化するので、少し面倒ですが年に数回、定期的にハードウェアキャリブレーションをして正確な色を保っておく事をおすすめします。