フランジバックとは?大口径マウントと明るいレンズは必要なのか

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フランジバックとは?大口径マウントと明るいレンズは必要なのか カメラ基礎知識

主要メーカーからミラーレス一眼カメラが発売され、フランジバックと言うカメラ用語を耳するようになったかと思います。ミラーレス一眼カメラはフランジバックが短くなりレンズマウントが大口径化される事でどのような違いやメリットがあるのでしょうか?

今回は、フランジバックとマウント口径、そしてレンズとの関係を解説します。

フランジバックとは?

フランジバックとは、一眼カメラの本体とレンズを接続するマウント部分から内部にあるイメージセンサーまでの距離のことで、英語ではFlange Distanceと言われています。

一眼レフカメラは構造的に内部にミラーがあるのでフランジバックは長めになるのに対し、ミラーレス一眼はミラーが無い分フランジバックを短くすることが可能になります。

一眼レフとミラーレス一眼のフランジバックの違い

ショートフランジバックのメリット

レンズの小型軽量化が可能に!

ショートフランジバック、いわゆるフランジバックが短いとレンズを設計する上で自由度が高くなり、レンズを小型&軽量化できるといったメリットがあります。最近ではミラーレス専用のレンズが続々と発売されていて、一眼レフ用の同等スペックのレンズと比べると、驚くほどコンパクトになっています。

例えば、シグマの広角ズーム14-24mm F2.8の場合、一眼レフ用だと重量が1150gあるのに対して、ミラーレス用は795gで、その差355gもあります。

他にはタムロンのソニーEマウント用の三大元レンズは、フィルター径が全て67mmと小型で、重量も一眼レフ用の三大元レンズと比べると2/3近くの重さに抑えられています。

  • 広角ズーム17-28mm F2.8:重量420g
  • 標準ズーム28-75mm F2.8:重量550g
  • 望遠ズーム70-180mm F2.8:重量810g

マウント口径サイズとフランジバック

マウント口径が大きく、フランジバックが短いほど、構造上の理由からレンズの設計に自由度が増し設計しやすくなると言われています。フルサイズミラーレス一眼の後発のニコンやキヤノンは、大口径&ショートフランジバックを謳い、続々と登場してくる新開発のミラーレス用レンズの性能の良さをアピールしています。

主なカメラのマウント口径とフランジバック比較表

数値的にはニコンのミラーレスのZマウントが一番有利で、キャノンやソニーと比べると、口径が55mmと最も大きく、フリンジバックが16mmと最も短くなっています。

メーカー マウント規格 口径 フランジバック
ニコン Zマウント(ミラーレス) 55mm 16mm
Fマウント 44mm 46.5mm
キヤノン RFマウント(ミラーレス) 54mm 20mm
EFマウント 54mm 44mm
ソニー Eマウント(ミラーレス) 46mm 18mm
Aマウント 50mm 44.5mm

口径の小さいソニーEマウントは不利?

ソニーのミラーレス一眼は他社と比べるとマウント口径がやや小さいので他社より明るいレンズを作るのが難しいと言った噂を聞いたことがありますが、実際はどうなのでしょうか?

ソニー曰く、口径が小さいからと言って、構造的なデメリットはなく、他社と同様にf1以下のレンズも作ることは可能だと言うことです。ただし、f1以下の明るいレンズを作るとなると、サイズが大きくなり、値段も高価になりすぎる為、現実的ではなく、他のカメラメーカーもほとんど作らないと言うのが一般的のようです。

そんな中、ニコンはミラーレス用のNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctという100万円以上するレンズを作ったのは凄いですが、重量は約2kgあり、しかもマニュアルフォーカス。

そこまで明るいレンズは必要なのか?と問われると、実用的な大きさや重さでf1.4程度あれば十分な気がします。

参照元:https://www.sonyalpharumors.com/sony-says-they-can-theoretically-do-f-063-fast-full-frame-e-mount-lenses/

まとめ

ミラーレス一眼後発のニコンが大口径でフリンジバックが短いとアピールした事で、他社よりも優位な印象を持ってしまいますが、大口径であるメリットが大きいのは、一般ユーザーというよりは、開発者やエンジニアの人達の話のような気がします。

実用レベルのレンズであれば各社とも大差はなく、一般ユーザーにとっては、価格を抑えた小型で軽量の良いレンズを作ってもらえば、それで十分かと思います。