DxO Nik Collectionは、海外では非常に人気のある写真編集・レタッチには欠かせないPhotohop用プラグインです。基本的なレタッチはLightroomなどで行い、仕上げにNik Collectionで個性や深みを加えるのが典型的な使い方で、平凡な写真に表現の幅を広げるための『プロ向けのスパイス』のような存在です。一度使ったら病みつきになる写真家向けソフトウェアで、私自身、個人的に愛用している無くてはならないソフトウェアの一つです。
今回は2025年5月にバージョンアップした写真レタッチプラグインDxO Nik Collection 8の新機能や主な特徴を作例と共にレビューします。
Nik Collectionとは?
DxO Nik Collectionは写真編集のレタッチ用プラグイン集で7種類のプラグインがセットになっています。スタンドアローンでも、Adobe PhotoshopやLightroom Classic、DxO PhotoLabのプラグインとして使用しますが、特にPhotoshopで使用するとNik Collectionの真価を発揮します。
Nik Collectionを使う事で何ができるかと言うと、Photoshopを駆使して行う複雑なエフェクトを、直感的なスライダーをプレビューを見ながら調整するだけの簡単操作で写真レタッチ作業が完結します。
またNik Collectionにはプリセットも多数用意されているので、ワンクリックで瞬時に写真の雰囲気を変化させることができるのも特徴で、毎回同じようなエフェクトを使う場合は独自のプリセットを作ることで時短効果も期待できます。
Nik Collectionの7種類のプラグイン
Nik Collectionに含まれる7種類のプラグインは以下になります。
- Nik Color Efex:写真レタッチ
写真に様々な効果を簡単に加える事が可能の一番使用頻度の高いプラグイン - Nik Silver Efex:モノクロ加工
カラーの写真をモノクロ加工する為に特化したプラグイン - Nik Analog Efex:アナログ風加工
デジタル写真を昔のレトロなアナログ風に簡単に加工できるプラグイン - Nik Viveza:色調補正
色調を細かく調整するプラグイン - Nik Dfine:ノイズ軽減
写真のザラザラした高感度ノイズを軽減させるプラグイン - Nik Sharpener:シャープネス
写真のシャープネスを細かく調整するプラグイン - Nik HDR Efex:HDR加工
複数枚の写真をHDR合成したり、1枚の写真をHDR風に加工するプラグイン
Nik Collection 8の主な新機能
新しい強力なマスクオプション
PhotoshopとNik Collection 8の相互間でマスクが使える
Nik Collection 8で最も進化したのがマスクオプションです。Photoshopで作成したマスクをNik Collection 8で使用したり、逆にNik Collection 8の各プラグインで作成したマスクをPhotoshopで使用したり、相互間でマスクを活用できるようになりました。
今までのNik Collectionでは大雑把なマスクしか利用できませんでしたが、Nik Collection 8からはPhotohopのマスクを読み込めるようになったことで、より繊細なレタッチが可能になりました。例えば、風景写真の複雑な空の部分であったり、人物写真の背景だったりもPhotoshopで作成したマスクを利用する事で、Nik Collectioでもピンポイントで精度の高いレタッチを実現できます。
手順としては、まず最初にPhotohopで画像にマスクを作成してから、その画像をNik Collectionで開きます。そうすると部分調整パネルからマスクをインポートする事が可能になります。
画面右上にPhotoshopのマスクを選択するパネルが開くので、該当のマスククリックして選択すればOKです。
あとはフィルター効果を適用させれば、繊細な作業が可能になります。
Nik Collection 8のプラグイン間でマスクが使える
Nik Collectionの部分調整パネルの新機能により、マスクを各プラグイン間で簡単に転送できるようになりました。もちろんNik Collectionの各プラグインで生成されたマスクはPhotoshopで読み込むことも可能です。
部分調整にカラーマスクが追加
Nik Collection 8では、部分調整に特定の色域にマスクを適用できるカラーマスクが追加されました。使い方も非常に直感的で簡単。マスクを適用したい色の上にカーソルを合わせるだけでOKです。

マスクしたい色の上にカーソルを合わせるだけ
更にオプションで色域を自由に拡張もしくは縮小して微調整して精度の高い仕上がりにすることも可能です。

カラーマスクの色域調整も可能
作業中の内容をPhotoshopのレイヤーに送信
Nik Collectionで編集中の内容を Photoshop に直接レイヤーとして送信できるようになりました。 これらのレイヤーは、瞬時に送信されるのではなく、最終的に【適用】をクリックして Photoshop に戻った際に作成されます。
作業中に気に入った仕上がりになったら、画面右下の【レイヤーとして送信】をクリックしておいて、最終的な仕上がりを後から見比べると言った使い方もできるので便利かと思います。

作業中に画面右下の「レイヤーとして送信」をクリックするだけ
Nik Collection 8の各プラグインの特徴と作例
Nik Collection 8に含まれる7種類のプラグインのそれぞれの特徴を作例と共にご紹介します
Nik Color Efex
Nik Color Efexは、写真に様々なエフェクトやフィルター効果を直感的に加えることができるプラグインで、個人的にNik Collectionの中で一番使用頻度の高いプラグインです。PhotoshopやLightroomでは難しいエフェクトでも、Nik Color Efexを使えばスライダーを動かすだけの簡単操作で実現できます。
作業の流れとしては、RAW現像である程度の色調補正をLightroomで行った後、仕上げにNik Color Efexを使うと言うような感じになります。
Nik Color Efexには50種類以上のエフェクト(フィルター効果)やそれらを組み合わせた30種類以上のプリセットが用意されていて、最初は数の多さに戸惑うかもしれませんが、色々と試してみて自分に合ったものをチョイスしていくと良いと思います。
また、慣れないうちはプリセットを適用してから、それを元に自分なりに微調整したり、別のエフェクトを追加してカスタマイズするのがおすすめです。使用頻度の高いエフェクトはお気に入りに追加したり、エフェクトの組み合わせを独自プリセットとして保存して使い回すこともできます。
平凡な写真でもNik Color Efexでレタッチすると簡単にドラマチックな作品へと変貌します。


Nik Silver Efex
Nik Silver Efexは、モノクロ写真に加工するプラグインです。ただ単に白黒にするだけでなく、明るさやコントラスト、レベルやカーブなど多岐にわたる細かな調整が出来るのが特徴です。また、プリセットも60以上用意されているので瞬時に好みの写真に仕上げる事ができます。


Nik Analog Efex
Nik Analog Efexは、フィルムカメラやトイカメラで撮影したかのようなアナログ風写真に加工するプラグインです。色褪せたビンテージ風の写真にしたり、ザラザラした質感にしたり、擦り傷などを加えたりと色々な効果を簡単に追加することができます。
Nik Analog Efexにもプリセットが豊富に用意されているので、その中から選択して、あとはスライダーで微調整すれば、誰でも簡単にクオリティの高いアナログ風写真に仕上がります。Photoshopでアナログ風写真に加工するにはかなりの技術と知識がないと難しいのですが、Nik Analog Efexを使えば数クリックで完成です。


Nik Viveza
Nik Vivezaは色調を調整するプラグインです。自分の好みに合わせて調整できるのはもちろんですが、プリセットが用意されているので、瞬時に色味を調整することもできます。
ただし、Nik Vivezaの調整できる項目はLightroomやCameraRAWにほとんど備わっているので、あまり必要性は感じないかもしれません。
Nik Dfine
Nik Dfineは写真のノイズを軽減させるプラグインですが、ノイズ除去方法は昔ながらの方式なので最近のAIを使ったノイズ除去と比べると物足りなさを感じます。全体的にのっぺりとした仕上がりになってしまうので、過度なノイズ除去と言うよりは、軽いノイズ除去で使用するのがおすすめです。
Nik Sharpener
Nik Sharpenerは、写真のシャープネスを細かくコントロールするプラグインで、インクジェット用やモニター用など写真の用途に合わせて、最適なシャープネスにすることができます。写真全体をシャープにしたり、部分的に一部をシャープにしたり、最終的な画像サイズにした後、最後の仕上げにNik Sharpenerを使うと効果的です。


Nik HDR Efex
Nik HDR Efexは、露出ブラケット撮影した複数枚の写真をHDR合成したり、1枚撮りの写真をHDR風に加工する為のプラグインです。ただし、LightroomやPhotoshopにもHDR合成機能があるので、あえてNik HDR Efexを使用する必要性もあまりないかと思います。
Nik Collection 8の価格
Nik Collection 8は買い切り型のみで、新規購入の価格は20,999円、前バージョンからのアップグレード版は、11,999円になります。一度購入すれば、追加料金なしで使い続ける事ができます。
新規ユーザー | 20,999円 |
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アップグレード | 11,999円 |
【DxO公式ウェブサイト】 Nik Collection 8の購入ページ
Nik Collection 8の無料お試しダウンロード
Nik Collection 8を是非試してみたいと言う方は、機能制限なしの30日間無料お試しができます!是非ダウンロードしてみて下さい。Emailを登録するだけの簡単手続きでOK!
【DxO公式ウェブサイト】 Nik Collection 8の無料お試しダウンロード
総評
バージョンアップしたNik Collection 8の最大の進化は、やはり強力なマスクオプションで、Photoshopと相互間でマスクが使用できるようになり、より繊細なレタッチが出るようになったのは非常に大きなメリットです。
Nik Collectionの価格はやや高めの印象はありますが、1つのエフェクトにPhotoshopを駆使して多くの時間をかけるより、Nik Collectionで瞬時に行った方が時短になりコストパフォーマンスが良いのではないでしょうか。
LightroomやPhotoshopだけで現像すると毎回同じような雰囲気の写真になりがりですが、Nik Collectionを使うと、プロの写真家だけでなくアマチュアカメラマンにとっても写真レタッチの幅を広げるのに役立つので導入してみてはいかがでしょうか?
DxO公式ウェブサイト
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