皆既月食で幻想的な月を撮影する方法!ベストな時間帯やコツは?

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皆既月食の撮影方法 カメラ基礎知識

満月が幻想的な赤銅色になる皆既月食は、数年に一度見れるかどうかの貴重で珍しい天文現象で、天文マニアでなくても、一眼カメラを持っているカメラマンなら是非撮影しておきたいところです。

今回は、一眼カメラで皆既月食を撮影する方法と2022年11月8日の皆既月食の時間帯や方角などの詳しい情報などを解説します。

皆既月食とは?

皆既月食とは、満月の前後に太陽と地球と月が一直線上に並び、月が地球の影に完全に入り込むため普段より暗く見えたり赤銅色に見える現象です。ただ単に月食と言われる現象は、月の一部が影に入る場合の事を指し、影になった部分が欠けて見えます。

詳しくは国立天文台が提供する動画をご覧ください!非常に分かりやすいです。

皆既月食の撮影方法

基本的に皆既月食の撮影方法は通常の月と同じで大丈夫ですが、月の明るさが変化する為、微調整する必要があります。

月の撮影方法は実は簡単!一眼カメラ初心者なら挑戦してみよう
月は思ったよりも明るいのでカメラ任せのオートモードで撮影すると月の表面が白とびして失敗していまいます。難しいと思われがちな月の撮影ですが、非常に簡単な設定で初心者でも上手く綺麗に撮ることができます。今回は、誰でも簡単に撮れる月の撮影方法を解説します。

皆既月食のカメラの基本設定

皆既月食は通常よりも月が少し暗くなる為、シャッタースピードを若干遅くするか、ISO感度を上げて暗くなり過ぎないようにするのがコツです。月が白飛びや黒潰れしないようにベストな露出になるようにヒストグラムをチェックして微調整しましょう。

  • 撮影モード:マニュアル
  • ISO:100~3200
  • 絞り:f8前後
  • シャッタースピード:1/200~1/4前後

皆既月食が始まる前に、シャッタースピードの目安として1/200~1/4前後に設定して、通常の月を試し撮りします。ピント合わせも兼ねて、月の明るさ(露出)を調整しておくと、万全の体制で撮影する事ができ、失敗が少なくなります。

基本的には白飛びするよりは、アンダー気味で暗い方がレタッチで復元可能なので、気持ち暗めの設定にしておくと失敗が少なくなります。シャッタースピードが遅すぎると月が白飛びして月のクレーターが消えてしまったり、1秒以上のシャッタースピードにすると、月は微妙に動いているのでブレてしまう場合もあります。

一番安全な方法としては、オートブラケット機能を使って露出違いで3枚もしくは5枚ほど撮影するのが良いかと思います。そうすれば風景と一緒の撮る場合には、HDR合成も可能で一石二鳥です。

月が明る過ぎる場合は、シャッタースピードを速くします。
月が暗過ぎる場合は、ISO感度を上げるか、シャッタースピードを若干遅くします。
オートブラケット撮影方法を解説!白とび黒潰れを回避してHDR合成もできる
明暗差のある撮影をする時は露出オートブラケット機能を使うと露出違いの写真を瞬時に複数枚撮影することが可能になります。また、ブラケット撮影した露出違いの複数枚の写真をHDR合成することで白とびや黒潰れのない綺麗な写真に仕上げることができます。オートブラケット撮影なら貴重なシャッターチャンスを逃すような失敗も少なくなるというメリットもあります

月食をアップで撮影

月をアップで撮影するには、最低でも200mm以上(35mm換算)の望遠レンズが必要になります。出来れば、600mm程あると迫力ある月が撮影できます。

300mmのレンズに2倍のテレコンを装着したり、APS-C機やマイクロフォーサーズ機で撮影するというのも有効かと思います。

風景と一緒に月食を撮影

風景と月を一緒の構図で撮影するには緻密な下調べが必要になります。時間帯と月の方角と高度などを把握して構図を決める必要がある為、難易度は少し高めです。

満月とは言え、広角レンズで撮影すると月が小さくなってしまい、主役の月食が目立たなくなってしまいます。望遠レンズを使い、できるだけ月を大きく写すと圧縮効果で風景との距離感が縮まり迫力ある写真に仕上がります。

成功させるコツは、事前にロケハンして望遠レンズでの画角や構図をしっかり確認しておく事です。初めて行く場所で行き当たりばったりで撮影しても確実に失敗します。

巨大な月の撮影方法!被写体との距離から見かけの大きさを計算しよう
巨大な月や太陽を撮影する時に役立つ、被写体との距離から見かけの大きさを計算する方法を解説。被写体に比べて満月が巨大に写った圧縮効果を使ったインパクトのある写真の撮影方法をご存じですか? 望遠レンズを使えば月は大きく写るのですが、月の見かけの大きさが把握できれば、確実な撮影が行えます。

月食の変化をインターバル撮影

月食時間の長さを計算し、構図を固定して月食をインターバル撮影して変化していく過程を撮るのも良いかと思います。インターバル撮影したものをタイムラプス動画にしたり、連続写真のように加工して一枚の写真にするといったアイデアも面白いかと思います。

月の動く範囲を考慮した構図

インターバル撮影で月食の一部始終を撮影するには、構図の中に収める必要があるので、始まりと終わりの月の位置を事前に把握しなければいけません。広範囲で撮影すると月が小さくなってしまうので、月食全体ではなく皆既月食の部分だけに絞って大きめに撮るなどの工夫が必要かもしれません。

月の明るさの変化に対応する

月食では月の明るさが変化する為、通常の満月の状態から月食の終わりまで撮影するとなると、設定を固定して撮影した場合、白飛びや黒つぶれになる可能性があるので、絞り優先モードにして、ISOオートで上限に余裕を持たせておくと良いかもしれません。

皆既月食の正確な方角や時間を調べる方法

ウェブサイトで調べる方法

皆既月食の見え方は場所によって変わりますので、正確な情報を把握したい場合は『月食各地予報』で調べることができます。日本全国各都市だけでなく、海外の主要都市やGoogleマップなどからも場所を指定して調べることが可能です。

スマホアプリで調べる方法

写真撮影に便利な『PhotoPills』という有料のスマホアプリを使えば、事前に月の出てくる位置や時間をマップ上で正確に把握することができるので、撮影計画を立てるのに重宝します。

また、実際の撮影現場では、AR機能を使って撮影したい方向にスマホをかざせば、月の出てくる位置を確認することができるので、より正確な撮影場所を決めることも可能です。

PhotoPillsのダウンロード

PhotoPills公式ページ(英語)

料金:US$9.99(約1200円)

風景&星景撮影に便利なカメラマン向け神アプリ『PhotoPills』
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皆既月食の撮影プランを立てる方法 - スマホアプリPhotoPillsの使い方
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2022年11月8日の皆既月食の時間と方角

2022年11月8日の皆既月食は、日本全国で赤銅色の月を観察することができます。18時9分から部分食が始まり月が欠け始め、皆既月食は19時16分から20時42分の86分間見る事ができます。

月の高度が比較的高い時に皆既月食になるので、場所を選ばずにどこからでも観測はしやすいかと思います。写真撮影となると月食をアップでは撮りやすくなりますが、風景と一緒に撮るのは難しくなるかと思います。

時間 方角
皆既月食の開始 19時16分
食の最大 19時59分 東~東南東の間
皆既月食の終了 20時42分 東南東

月の見える正確な方角や高度は観測地点によって若干異なるので、アプリやウェブサイトなどで調べる必要があります。

202年11月8日の月食の時間と方角

参照:国立天文台 – 皆既月食・天王星食(2022年11月)

まとめ

基本的には皆既月食は、通常の月の撮影方法と変わらないので、月を撮影した事がない人は事前に練習しておくと良いかもしれません。次に日本で見られる月食は部分月食で2023年10月29日になるので、是非、天気が良ければ皆既月食を撮影してみてはいかがでしょうか?