巨大な月の撮影方法!被写体との距離から見かけの大きさを計算しよう

月や太陽の見かけの大きさは何m?被写体との距離から計算する方法カメラ基礎知識

風景の被写体に比べて満月が巨大に写ったインパクトのある写真を見たことがあるかと思いますが、撮影方法をご存じですか? もちろん望遠レンズを使えば月は大きく写るのですが、被写体と比較した時に、月の大きさがどれくらいのサイズになるのか把握できれば、確実な撮影が行えます。

今回は、巨大な月や太陽を含む風景写真を撮影する時に役立つ、被写体との距離から見かけの大きさを計算する方法をご紹介します。

天体の見かけの大きさが分かる視直径とは?

視直径とは、天体の見かけの直径を角度の単位の角距離で表した値のことで、角直径と同じ意味で使われています。英語ではそれぞれ、視直径:Apparent Diameter、角直径:Angular Diameterと言われます。

視直径は、天体の実際の大きさとその天体までの距離から計算するのですが、視直径の数値が大きいほど、見かけのサイズも大きくなります。

月や太陽の見かけの大きさはほぼ同じ

太陽の実際の大きさは月の400倍ですが、地球からの距離が400倍遠いので、月と太陽の視直径はどちらも約0.5になり、地球上での太陽と月の見かけの大きさはほぼ同じになります。

月と太陽の視直径がほぼ同じなので同じ大きさに見える

この視直径のわずかな差で、太陽、月、地球が一直線に並んだ時に太陽が月に隠される現象が日食になります。

月の見かけの大きさを計算する方法

月を被写体と同じ大きさに写す場合

太陽や月を被写体と同じ大きさにして写すにはどれくらい離れれば良いのでしょうか? 先ほどご説明した視直径を利用すると見た目の大きさをメートルに換算することが出来るですが、厳密に計算するとなると月の視直径が時期によって若干変わったりして複雑なので、代わりにThe PhotoPills Rule of 100に当てはめると簡単です。

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The PhotoPills Rule of 100の計算方法はいたって単純で、被写体の大きさを100倍するだけで、どれ位被写体から離れて撮影すれば良いのか簡単に計算できます。

被写体から離れる距離(m) = 被写体の大きさ(m)×100

例えば、10mの大きさの被写体を月の大きさも10mとして撮影したい場合、この計算式に当てはめると、1000m(1km)離れれば言いという事になります。1km先から撮影すると、月が被写体と同じ10mの大きさで撮影できます。

人物と月を同じ大きさに写すには、身長が1.7~1.8mとして同様に計算すると、170~180mは離れる必要があるという事になります。これを知っていれば、満月と記念撮影して月が小さく写ってしまうような失敗は無くなります。

月を被写体と同じ大きさに写す方法

月の見かけの大きさを基準にする場合

被写体の大きさが不明な場合は、月や太陽をどれ位の大きさで撮りたいかを決めて、計算式に当てはめれば良いだけです。例えば、月を15mの大きさで撮影するには、被写体から1.5km離れた場所になります。

つまり、被写体から離れれば離れるほど、月や太陽を大きく撮影できるという事です。

もちろんのことですが、太陽や月だけ撮影しても、比較できる被写体がなければサイズ感は分からないので意味がありません。見かけの大きさを表現するには、被写体との距離が重要となります。

月の見かけの大きさを基準にする場合

岐阜城と満月はどれ位離れた場所から撮影しているの?

SNSなどで圧縮効果を上手く使った岐阜城と巨大な満月の写真を見かけますが、どれ位の距離から撮影しているのでしょうか?

岐阜城の天守閣の高さを調べてみると15~16mほどなので、岐阜城と月が同じ位の大きさで写すなら、1.5~1.6km位離れた撮影スポットだと言う事が分かります。月を岐阜城の倍の大きさの30m位で撮影したい場合は、3km強離れた場所から撮影する必要があります。

岐阜城のある金華山の標高が329mなので、月が330m位の高さに来る日時と方角を調べて、その方角の延長線上から撮影場所を探せば、岐阜城と巨大な月の写真が撮れると思います。

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月を巨大に撮影する方法

月や太陽を大きく撮るには、被写体との距離を出来るだけ遠くにする必要があると説明したのですが、それに対応した機材が必要になります。

200mm以上の望遠レンズやテレコン

撮影場所が同じならレンズの焦点距離に関係なく、被写体と月との大きさの比率は同じなので、被写体を大きく写せる望遠レンズのほうがおすすめです。できれば200mm以上の望遠レンズであれば被写体と月が大きく写せ迫力ある仕上がりになります。

超望遠レンズは非常に高価なので、安価に焦点距離を伸ばせるテレコンバーターを使うのも一つの手です。カメラ本体とレンズの間に装着する補助レンズのテレコンバーターを使えば、既存のレンズの焦点距離を1.4倍や2倍に伸ばすことができ非常に便利です。

APS-Cやマイクロフォーサーズ機

センサーサイズがフルサイズのカメラよりも小さいAPS-Cなら焦点距離が1.5倍、マイクロフォーサーズなら2倍となり、望遠での撮影が有利になります。例えば、広角14mmの倍は28mmでそれほど変わりませんが、望遠の300mmを倍にすると600mmとなり全く別物になることが分かります。

望遠の撮影では焦点距離が長くなればなるほど、センサーサイズの違いによる1.5倍や2倍というのは差が大きくなるので、巨大な月の撮影にはAPS-Cやマイクロフォーサーズがおすすめです。

しっかりと計画を立てる

月の正確な方角や高度などの動きを調べてシュミレーションするには、PhotoPillsというカメラマン向けのスマホアプリが便利です。PhotoPillsならカメラやレンズの焦点距離などの情報から実際の画角と月の大きさもビジュアル化されるので、緻密な撮影計画を立てるのに役立ちます。

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まとめ

太陽や月の見かけの大きさがどれ位になるか知っていると、どういった感じの写真に仕上がるのかを想像することが容易になり、超望遠レンズで撮影するのがより一層楽しくなります。望遠レンズは持っているけどあまり使っていないという方は、巨大な月の撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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新潟在住の写真家&グラフィックデザイナー。約19年間住んでいたニュージーランドの絶景を写真に残そうと思ったのが写真を始めたきっかけで、風景写真、星空と天の川の星景写真を中心に撮影。写真やカメラに関する情報をわかりやすく解説し発信しています。

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