白鳥の流し撮り方法!スローシャッターで躍動感あるアートに仕上げる

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白鳥の流し撮り方法 カメラ基礎知識

白鳥を撮影する機会があったので、普段とは違う撮影方法の流し撮りに挑戦してみました。スローシャッターで白鳥を流し撮りにすることで背景や翼がブレ、躍動感やスピード感が生まれアートな雰囲気に仕上がります。

今回は、白鳥の流し撮りをする際のカメラ設定や撮影方法などをまとめてみました。

流し撮りとは?

流し撮りとは、動いている被写体をカメラで追従しながらスローシャッターで撮影する方法のことで、被写体はブレずに背景だけをあえてブレさせてスピード感や躍動感を表現することができます。

流し撮りの被写体としては、スポーツ選手、電車や車などの乗り物、鳥などの動物が一般的で、不規則な動きをする被写体ほど難易度が高くなります。

流し撮りとは?

流し撮りで白鳥に躍動感をプラス

白鳥を撮影する際、シャッタースピードを速くして全ての動きを止めた、その瞬間を捉えるのも良いのですが、大きな体で優雅に飛んでいる躍動感を表現するなら、流し撮りがおすすめです。

一般的な野鳥は動きが俊敏で不規則な動きをすることが多いのですが、白鳥は体が大きくゆったりと動くので、他の鳥や動物と比べると、流し撮りのしやすい被写体となります。

特に白鳥が飛び立つ瞬間は、ある程度一定のスピードで真っすぐ助走をつけて飛んでいくので、カメラで追従しやすく、流し撮りに最適なシャッターチャンスになります。また、飛び立つ時は、大きな翼をバタバタと動かすので流し撮りをすると躍動感が生まれます。

逆に白鳥が着水する時はスピードが減速するので動きが予測しにくく、翼をあまり動かさないので流し撮りにはあまり向いていないかもしれません。

白鳥の流し撮り方法

白鳥を流し撮りする際のカメラの設定方法、撮影に適した時間帯、基本的な撮り方をまとめてみました。

カメラの基本設定

  • シャッタースピード:1/10~1/40秒前後
  • 絞り:f11~f16位
  • オートフォーカス:AF-CコンティニュアスAF)
  • ISO:100

※撮影現場で設定するのが面倒な場合は、あらかじめカスタムモードで設定を登録しておくと簡単です。

シャッタースピード

流し撮りはシャッタースピードが重要なので、シャッタースピード優先モードもしくはマニュアルモードでシャッタースピードの設定を1/10~1/40秒前後スローシャッターにするのがポイントです。

シャッタースピードを遅くすることで、背景や白鳥が羽ばたいた翼がブレてスピード感や躍動感が生まれアートな仕上がりになります。シャッタースピードを遅くすればするほどアートな仕上がりになりますが、その反面、被写体となる白鳥の体もブレやすくなるので難易度が高くなります。

シャッタースピードの速さによって、背景や翼のブレ具合が違ってくるので、上記のシャッタースピード以外でも色々と試してみるのが良いかと思います。

絞りとNDフィルター

白鳥を流し撮りする際、f値の目安はf11~f16位で少し絞り気味にして被写界深度を深くする事でピントが合いやすくなります。シャッタースピード優先モードの場合は、絞り値は変更できないので、撮影した写真を確認して、必要であればNDフィルターで調整します。

太陽が比較的高い位置にある時は、スローシャッターにすると明るすぎて最小絞りに近い値になり小絞りボケや回析現象による画質の低下や、最小絞りの範囲を超えると露出オーバーで白飛びしてしまうので、NDフィルターが必要になってきます。

朝夕であればND8、太陽の位置が高くなってきたらND16位が良いかと思います。

絞り値を微調整したい場合は、可変NDがおすすめです。

オートフォーカス

飛んでいる白鳥を撮影するので、オートフォーカス(AF)モードはAF-C(コンティニュアスAF)に設定します。

フォーカスエリアの設定は機種によって多少の違いはありますが、動物を撮影しやすいモードに切り替えます。ソニーαの場合は【ゾーン】もしくは【ワイド】が良いかと思います。

一眼カメラのAF(オートフォーカス)の種類と被写体別おすすめ設定方法
一眼カメラのAF(オートフォーカス)には何種類かあり、撮影する被写体に合わせて設定すると非常に快適に使うことができます。しかし全てカメラ任せのAF設定にしてしまうと、自分の意図する位置にピントが合わなくなり逆に使いにくくなる場合もあります。今回は、意外と重要なAF(オートフォーカス)の種類や特徴と被写体別のおすすめ設定を解説します。

ISO

基本的にISOは100でOKです。ただし、シャッタースピード優先モードで薄暗い環境の場合は、被写界深度が浅くなりすぎて、被写体にピントが合いにくくなってしまうので、少しISOを高くする必要があります。

レンズの設定

もし、レンズ側に手振れ補正モードの切り替えスイッチがある場合は、流し撮り用のMODE 2に切り替えます。

流し撮り用のMODE2に切り替え

望遠レンズの流し撮り用のMODE切り替えスイッチ

ちなみに、今回、白鳥の流し撮りで使用したレンズは、通称ライトバズーカで知られるシグマの100-400mm F5-6.3 DGDN OS Contemporaryです。超望遠レンズとしては比較的軽量(1,160g )なので手持ちでの撮影も容易で、フィルター径が67mmと小さく一般的なフィルターを使うこともできるのでおすすめです。

撮影の時間帯

冬になると白鳥が集まる湖であっても、昼間は餌を求めてどこか別の場所へ行っていて、あまり白鳥を目にすることができない場合があります。また、昼間に見かける白鳥は飛び立つことがほとんどないので流し撮りには適していません。

白鳥が飛び立つのは早朝で、夕方に羽を休めにまた元の湖へ戻ってくるので、白鳥の流し撮りをするのは早朝が狙い目です。早朝でゴールデンアワーとなればドラマチックな雰囲気がプラスされ、飛び立つ白鳥も多いので絶好のシャッターチャンスとなります。

流し撮りの方法とコツ

流し撮りのコツは、被写体とのスピードを合わせて、被写体と同じ方向にカメラを平行移動させる事です。カメラが上下に動いてしまうと被写体がブレてしまうので、できるだけ平行移動させて被写体をファインダー内に捉え続けるようにすると、被写体ブレが少なくなります。縦ブレが多い場合は一脚や三脚を使って流し撮りをするのも良いかもしれません。

飛び立ちそうな白鳥は翼をバタバタ動かし始め、2、3羽同時に飛んでいくことが多いようです。バタバタとした音が聞こえたら、その方向にカメラを向けて白鳥にピントを合わせ、あとは白鳥の動く方向にカメラを動かすだけです。

白鳥の流し撮りの作例

最初はシャッタースピードを1/40か1/30秒にしていたのですが背景のブレ具合が少なかったので、もう少し遅くして1/20秒をメインにして撮りました。時々、1/10秒や1/15秒に挑戦しましたが、白鳥の胴体がブレまくり。

流し撮りの多少のブレは許容範囲で、ブレよりもスピード感や躍動感が表現できていれば良いかと思います。

新潟の瓢湖の白鳥の流し撮り

SONY ILCE-7RM4 (400mm, f/25, 1/20 sec, ISO100)
白鳥が飛び立つ瞬間

白鳥の流し撮り-新潟県阿賀野市瓢湖

SONY ILCE-7RM4 (400mm, f/9, 1/20 sec, ISO100)
湖面のブレでスピード感が増している

白鳥の流し撮り-作例

SONY ILCE-7RM4 (400mm, f/14, 1/20 sec, ISO100)
白鳥の羽ばたきのブレで躍動感を表現

スローシャッターの白鳥の流し撮り

SONY ILCE-7RM4 (400mm, f/13, 1/15 sec, ISO100)
白鳥の胴体もブレてもアートな仕上がり

まとめ

今回、白鳥の流し撮りに使用したカメラはソニーα7R IVで、AF性能は優秀で常に白鳥を捉えてくれます。また、高画素なので画像サイズに余裕があり、多少トリミングしても全く気にならない点がかなりのアドバンテージだと感じました。

最初はスローシャッター時のEVFのタイムラグのカクツキが気になっていたのですが、慣れてきたら白鳥をファインダー内に捉える確率が上がってきて、それほど気にならなくなりました。

普段は風景写真や星景写真をメインに撮影しているので、動きのある被写体を撮影する時のカメラの設定などが全然違って良い勉強になりました。