一眼カメラのAF(オートフォーカス)の種類と被写体別おすすめ設定方法

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AF(オートフォーカス)の設定方法 カメラ基礎知識

一眼カメラのAF(オートフォーカス)には何種類かあり、撮影する被写体に合わせて設定すると非常に快適に使うことができます。しかし全てカメラ任せのオートフォーカス設定にしてしまうと、自分の意図する位置にピントが合わなくなり逆に使いにくくなる場合もあります。

今回は、意外と重要な一眼カメラのAF(オートフォーカス)の種類や特徴と被写体に適したおすすめの設定を詳しく解説します。

一眼カメラのAF(オートフォーカス)の種類

AF-S(シングルAF)

AF-Sは、シングルAFと言い、シャッターボタンを半押しして一度ピントが合うと、半押ししている間はピント位置が固定される為、動きのほとんどない被写体の風景写真や物撮りなどの撮影に向いています。被写体が動いてしまうとピントがずれてしまいます。

AF-S(シングルAF)でピントがずれてしまった場合は、シャッターボタンを離し、再度シャッターを半押しにしてピントを合わせる必要があります。

適した被写体:風景、物撮り、ポートレート

AF-C(コンティニュアスAF)

AF-Cは、コンティニュアスAFと言い、シャッターボタンを半押ししている間はカメラが自動的に被写体にピントを合わせ続けるので動きのある被写体の撮影に向いています。ちなみにAF-CのCはContinuous(コンティニュアス)の略で、『連続した』とか『途切れのない』といった意味になります。

適した被写体:動物、子供、スポーツ、動いている乗り物(電車、車、飛行機など)

AF-A(AFモード自動切り替え)

AF-Aは、自動的にカメラが状況に合わせてAF-SとAF-Cに切り替えてくれます。

AF-Aは便利なのですが、カメラが自動で判断する為、風景を撮影している途中で、風で草木が動いたりするとAF-Cに切り替わってしまい、上手くピントが合わなくなってしまう場合もあり、逆に不便になってしまう可能性があります。

できるだけAF-Aは使わずに、被写体に合わせて、自分でAF-S(シングルAF)かAF-C(コンティニアスAF)に切り替えるのがおすすめです。

AF(オートフォーカス)エリアの種類と特徴

AFエリアとはピントを合わせる範囲の事で、被写体に適した設定にするとAFの性能を最大限に活かすことができます。

シングルポイントAF

シングルポイントAFは、撮影者が選んだフォーカスポイントだけを使ってピントを合わせます。
風景など動きのほとんどない被写体の撮影に適しています。

シングルポイントAFの使い方は、手持ち撮影であれば、ピントを合わせたい場所にフォーカスポイントを重ねてシャッターを半押しして、フォーカスがロックされた状態になったら、構図に合わせてカメラを動かしてシャッターを切ります。

シングルポイントAF

シングルポイントAFは選んだフォーカスポイントだけにピントが合う

ダイナミックAF

ダイナミックAFは、フォーカスポイントの選び方はシングルポイントAFと同様ですが、ピントを合わせた被写体が一時的にフォーカスポイントから外れた場合でも周囲のフォーカスポイントが被写体を捉えピントを合わせ続けます。
不規則な動きをする被写体の撮影に適しています。

ダイナミックAFの特徴は、フォーカスポイント数に違いがあり、数が多いほど動きの速い不規則な動きの被写体に向いていて、逆にフォーカスポイントが少ないほど測可能な一定の動きをする被写体に向いているので、被写体に合わせて使い分けるとオートフォーカスの精度が高くなり使いやすくなります。

ダイナミックAF

ダイナミックAFの被写体の捉え方イメージ

3Dトラッキング

3Dトラッキングモードは撮影者が選んだフォーカスポイントを被写体に合わせてシャッターボタンを半押ししている間は、構図の変化してもカメラがフォーカスポイントを自動的に切り換えて被写体にピントを合わせ続けます。
動きのある被写体の撮影に適しています。

トラッキングモードは動く被写体に対して非常に便利ですが、カメラ任せの部分もある為、カメラや機種によってはAFの精度や追従の性能が悪い場合もあるようです。

グループエリアAF

グループエリアAFは、1点のフォーカスポイントとは違い、5点のひし形の広い範囲で被写体を捉えるのが特徴です。フォーカスポイントが広い為、被写体から背景にピントが移ってしまうといった事が少なくなります。
比較的大きく動きのある被写体で背景がゴチャゴチャしていない場合に適しています。

ただし、被写体の一定の場所にピンポイントでピントを合わせたい場合には向いていません。ピント位置はカメラが自動選択する為、選択範囲が広い分、意図しない場所にピントが合ってしまうと言ったデメリットがあります。例えば動物を撮影する場合、目にピントを合わせたいのに、身体にピントが合ってしまうと言った感じです。

グループエリアAF

グループエリアAFは被写体を広い範囲で捉える

オートエリアAF

その名と通りオートエリアAFは、カメラが自動的に被写体を判別してピントを合わせてくれる便利な設定ですが、撮影者の意図しない場所にピントが合う事もあるので、自分でピント位置をコントロールしたい人には逆に使いにくいかもしれません。

レリーズ優先、フォーカス優先のどっちが良い?

AFの設定にはレリーズ優先またはフォーカス優先の設定があります。それぞれに特徴があるので被写体によって使い分ける事もできます。(※入門機は変更できない場合もあります)

レリーズ優先

レリーズ優先の設定にしているとピントが合っていなくてもシャッターを切ることが可能になります。一瞬のシャッターチャンスを優先した動きのある被写体を撮影する場合に向いています。

デメリットとしては、ピンボケでもシャッターが切れてしまうので失敗に気付き難い時があります。

フォーカス優先

フォーカス優先の設定にしていると、ピントが合うまでシャッターを切ることができなくなります。風景やポートレートなど動きのあまりない被写体をじっくりと撮影する場合に向いています。

デメリットとしては、シャッターチャンスを逃してしまう場合があります。

設定方法(ニコンの場合)

レリーズ優先またはフォーカス優先の設定に切り替える方法です。

MENU > カスタムメニュー > オートフォーカス

a1:AF-Cモード時の優先 レリーズ またはフォーカスを選択

AF-Cモード時の優先

a2:AF-Sモード時の優先 レリーズ またはフォーカスを選択

AF-Sモード時の優先

ピント表示機能

被写体にピントが合っているか判断するには、【ピント表示】機能を使うと便利です。

ニコンの場合は、フォーカスポイント(四角のマーク)にピントが合うとファインダー内に●マークが点灯し、被写体よりも手前にピントが合っている場合は▶、被写体よりも後方にピントがっている場合は◀が点灯します。ピントが合っていない場合は▶ ◀が点滅するようになっています。

また、高機能な上級機やミラーレス機などのカメラには、【ピーキング機能】というものがあり、どこにピントが合っているかを表示することが出来ます。

被写体別おすすめAF設定

風景やポートレート

被写体がほとんど動かない風景やポートレートには、撮影者の意図した位置にピントが合わせやすく置きピンが可能なAF-SとシングルポイントAFモードの組み合わせた設定がおすすめです。自分でピントをコントロールしたい場合に適しています。

また、フォーカス優先に設定しておけば、確実にピントが合った状態じゃないとシャッターが押せないので、ピンボケした失敗写真を減らすことが出来ます。

AF-S+シングルポイントAFモード+フォーカス優先

動く被写体

被写体が動く動物、子供、スポーツや乗り物の場合には、カメラが自動でピントを合わせてくれるAF-CとダイナミックAFまたは3Dトラッキングモードの組み合わせた設定がおすすめです。ダイナミックAFモードにもいくつか種類があるので、動きの予測できる被写体、動きが不規則な被写体、動きが速い被写体など、被写体に合わせて選択するのがベストです。

動く被写体を撮影する場合は、瞬時にピントが合っているかどうかはカメラに任せて、シャッターチャンスを逃さない為にもレリーズ優先にして直ぐにシャッターが切れるようにしておくのが大切です。

AF-C+ダイナミックAFまたは3Dトラッキングモード+レリーズ優先

まとめ

日々一眼カメラは進化し続けて簡単に綺麗な写真が撮れるようになっていますが、逆に何でもカメラ任せのオートに設定してしまうと自分の撮影したい写真が上手く撮れなくなる場合もあります。

オートフォーカスもカメラが自動でピントを合わせてくれるのですが、全てオートにするよりは、撮影者がある程度コントロールできる設定にしておく事が重要です。

もし一眼カメラを購入してから一度もオートフォーカスの設定を変更していない場合は、再度チェックしてみることをおすすめします。