一眼カメラの動画性能の数字だけでは見えない熱暴走対策の重要性

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一眼カメラの動画性能の熱暴走対策の重要性 カメラ基礎知識

最近の一眼カメラは動画撮影性能が向上し4K動画が撮れるのは当たり前で、EOS R5は8K/30P動画も撮影可能と謳っていたりします。スペックの数字ばかりが注目を集めがちで性能の数字だけを見ると凄い!と一瞬思ってしまうのですが、実はハイスペックな数字には熱暴走と言う大きな問題が潜んでいます。

今回は、一眼カメラの動画撮影時の熱暴走やオーバーヒート対策について詳しく解説します。

カメラの熱暴走とは?

一眼カメラの熱暴走とは、動画撮影や高速連射などの画像処理でカメラに高い負荷がかかることで、内部に熱が発生し温度の制御が出来なくなり、動作不良や強制停止を発生させる状態のことを言います。

一眼カメラの多くは一定以上の温度に達した場合は、熱暴走しオーバーヒートでカメラが壊れないように安全のために撮影が強制停止するように作られています。

気温の高い夏に4K動画や高速連射の多様をするような環境では、熱暴走で強制停止しやすいので注意が必要です。

カメラが熱を発生する理由

一眼カメラで動画・画像処理をするにはカメラに内蔵された画像処理エンジン(プロセッサー)が行うのですが、特に高画素でフレームレートの高い動画を扱うと負荷がかかり熱が発生してしまいます。

これはパソコンが高度な処理を行うとCPU(プロセッサー)から熱が発生するのと同じで、パソコンの場合は冷却装置や冷却ファンを使い熱を外に放出するように設計されています。

また、カメラの場合は画像処理エンジン以外に、イメージセンサーからもも発熱するのでカメラ内部は熱が発生しやすい環境でもあります。

一眼カメラに付きまとう発熱問題

一眼カメラがオーバーヒートし予期せぬ場面で強制停止してしまうと、撮影を中断しなくてはいけなくなります。撮り直しができれば良いのですが、最悪の場合は撮影チャンスを逃してしまう可能性もあります。

一度オーバーヒートした一眼カメラは、なかなか冷えずに再び撮影可能になるまでに時間がかかるという問題があります。個人レベルでの使用では何とかなりますが、仕事となると安心して使うことができなくなってしまいます。

一眼カメラはパソコンとは違い、防塵・防滴などにより密閉された状態なので、小さなボディ内部に熱が籠りやすく、冷却するのが難しい構造になっていて、熱暴走をいかに効率よく制御できるかが今後の課題となりそうです。

熱対策機能付き一眼カメラ

一般的に一眼カメラは、動画を撮影しない限りは熱暴走を起こすことはほとんどないかと思いますが、やはり動画をメインとして使う場合は、熱暴走を抑えるための放熱や冷却装置を備えた一眼カメラが良いかと思います。

やはり動画撮影に特化させたLumix S1HやSIGMA fp、ソニーα7SIIIには熱暴走対策に放熱や冷却装置が内蔵されているので、安心して使うことができます。

Lumix S1H

動画に特化させたLumix S1Hの熱対策は、ヒートシンクだけでなく、画期的な放熱ファンが内蔵されているプロ仕様のフルサイズ一眼カメラです。

SIGMA fp

シグマのフルサイズミラーレス一眼カメラのSIGMA fpにも熱対策のヒートシンクが内蔵されていて、オーバーヒートを防止することができます。

SONY a7III

先日発表されたソニーα7SIIIはグラファイト製ヒートシンクにより4K60pの動画を熱暴走なしで1時間を超える撮影が可能になっています。プロ仕様にも耐えられる性能の動画撮影に特化させた一眼カメラです。

後付けの冷却装置は有効か?

熱対策機能の付いていない一眼カメラに対して、後付けの冷却装置は有効なのかと言われると、個人的には100%の効果が期待できるかは微妙な感じがします。やはり効率的に放熱や冷却が出来るように設計を考慮して内蔵している機種には敵わないのではないかと思います。

冷却ファン方式

パソコンであれば単純に冷却ファンで熱を放出することが可能ですが、カメラとなると振動や音、埃など様々な問題があるので、効果的な冷却ファンを後付けするのは難しいのかなと思います。

EOS R5用にマウントアダプター型の冷却装置が発売されるのでは?といった噂が飛び交っていますが、効果的に冷却できるかは不明です。

ヒートシンク方式

EOS R5用にカメラの外部からヒートシンクを取り付けて冷却すると言った方式のツールがTiltaという会社から発表されていますが、どの程度の効果があるか注目されるところです。

Tiltaing Camera Cage for Canon R5
The next camera system to be supported by our Tiltaing collection of camera accessories is the new Canon R5. Featuring a...

自分で冷たいものをカメラに当てがって冷やすという方法も考えられますが、急激に冷やしてしまうとカメラ内部が結露する恐れがあるので注意が必要です。

まとめ

カメラ選びではハイスペックな数字に惹かれてしまう事が多いのですが、ハイスペックに伴った様々な事情も隠れていることがあるので、良い点だけでなく悪い点にも目を向けて、自分の用途に合った機種を選ぶ事が重要かと思います。

キヤノンEOS R5やR6は動画撮影よりは写真用途に比重を置いている機種なので、写真メインで動画も少し撮影したい人には良いのかもしれません。動画撮影がメインであれば、やはり動画撮影に特化した機種のほうが後々公開しないのではないでしょうか?