4K動画対応一眼カメラ選びで見落としがちなクロップ倍率と画角

4K対応一眼カメラのクロップ倍率と画角カメラ基礎知識

4K動画撮影ができる一眼カメラを購入する前に知っておきたいポイントはいくつかありますが、その中でも重要なのがクロップ倍率です。フルHDでは全く問題なかったのに、4K動画になると画面の一部がクロップされ画角が狭くなってしまい、クロップ倍率は機種によって異なり画角に違いが出るので必ず確認しておきたい項目です。

今回は、4K動画撮影可能な一眼カメラ選びで意外と見落としがちなクロップについて詳しく解説します。

4K動画撮影時にクロップされるとは?

4K対応のカメラでも、機種によっては動画撮影時に画面の一部がクロップされ(切り取られ)、画角が狭まくなってしまいます。

カメラを選ぶ際にフレームレートやビットレートなどのスペックは各メーカーのウェブサイトやカタログの仕様表にまとめられているのですが、4Kのクロップに関しては、記載が無い、もしくは別ページに小さく表示されている場合が多く、見落としがちな項目で、知らない方も多いかと思います。

購入後に初めて知って後悔するといった事が無いように、4K動画撮影時のクロップは必ずチェックしておきましょう!

画角が変わるクロップ倍率(クロップファクター)

クロップ倍率とは、静止画の写真撮影時の焦点距離に対しての4K動画撮影時の焦点距離の倍率のことで、クロップ倍率が大きくなるほど、焦点距離が長くなり画角が狭くなってしまいます。できるだけ、クロップ倍率が1に近いものを選べば、画角が狭くならずに撮影することができます。

例えば、クロップ倍率が1.5倍のカメラで焦点距離30mmのレンズを使った場合、4K動画撮影時には45mmとなります。

クロップ倍率 1.5倍の画角

4K動画撮影時にクロップされる理由

結論から言うと、4K動画撮影時にクロップされ画角が狭くなる理由は、カメラの動画処理能力に限界があり、負担を減らす為に4Kサイズの部分だけを切り出して使っているからです。

カメラの動画処理速度が原因

一眼カメラは画像処理エンジンと言うものでカメラの制御や画像・動画処理を行っています。画像処理エンジンは、パソコンで言うCPU(プロセッサー)のような物で、高性能であればあるほど処理速度も速くなるのですが、一眼カメラの画像処理エンジンの性能には限界があり、瞬時に4K動画に変換するには非常に負担がかかってしまいます。

写真と4K動画の画素数の差

どうして負担がかかるかと言うと、写真の画素数と4Kの画素数ではサイズや比率に大きな違いがあり、カメラ内部で4K動画のサイズに変換する必要があるからです。そのリサイズ処理がカメラの画像処理エンジンに大きな負担をかけることになります。

例えば、一般的な2400万画素の一眼カメラの写真の解像度は6000x4000pxとなりますが、4K動画の解像度は3840×2160pxで約829万画素があれば十分となり、その画素数には大きな差があることが分かります。

この差をできるだけ効率よくカメラ内部で処理する方法として、イメージセンサーの中央から4K解像度の3840×2160pxの部分以外をクロップする事で余計な処理を省き、綺麗な画質を維持できるとして、多くの機種で採用されています。

写真と4K動画の画素数の差

クロップなしで、全画素読み出しの機種もあり

新しめの機種では、4K動画でもクロップなしでセンサー全域を活用した全画素読み出しの場合は、画角が変わらずに撮影することができます。もちろん全画素読み出しといっても、写真と動画とではサイズのアスペクト比が違うので、4Kの場合は全幅を活用し上下の部分がクロップされます。

4K全画素読み出しと謳っていても、機種によってはフレームレートが30や60に上がるとクロップされる場合があるので注意が必要です。

4K動画の全画素読み出し

全画素読み出しの4K動画対応のおすすめ一眼カメラ

4K30p以上で全画素読み出し、Log撮影が可能なおすすめの一眼カメラです。

パナソニック S1H

パナソニックのフルサイズミラーレス一眼カメラのS1Hは、S1を動画向けに特化させた機種で、4K60pはもちろんのこと、6K 24pまで対応しているプロも使用する本格的なカメラです。

  • センサー:フルサイズ
  • 4K60p、10bit、Log
  • フルHD240p
  • 連続撮影時間の制限なし

パナソニック GH5S

パナソニックのミラーレス一眼のGH5Sは4K動画撮影ができる定番のカメラです。兄弟機のGH5を更に動画撮影用に特化させたモデルで、クロップなし4K全画素読み出しで60p 10bit、Log撮影が可能。

  • センサー:マイクロフォーサーズ
  • 4K60p、10bit、Log
  • フルHD240p
  • 連続撮影時間の制限なし

兄弟機のGH5も動画撮影できる一眼カメラとして人気。

富士フイルム X-T4

2020年2月に発売された富士フィルムのミラーレス一眼カメラX-T4は、動画撮影性能は、4K全画素読み出しで30p 10bit、Log撮影が可能でが、4K60pの場合は1.18倍のクロップとなります。

  • センサー:APS-C
  • 4K30p、10bit、Log
  • フルHD240p
  • 最大連続撮影29分の制限あり

ソニーα7S II

ソニーのフルサイズ機α7S IIは、動画に特化させた機種で、ソニー機では唯一4K全画素読み出しで30p 10bit、Log撮影が可能です(それ以外の機種は4K30pでクロップあり)。発売が2015年の為、スペック的に若干物足りなさはあるのは否めず、後継機に期待。

  • センサー:フルサイズ
  • 4K30p、8bit、Log
  • フルHD120p
  • 最大連続撮影29分の制限あり

まとめ

最近発売の4K対応の一眼カメラは、画像処理エンジンや処理技術が進化し、全画素読み出し可能な機種がが増えつつあります。今後は、クロップによる画角の変化がなくなるように各メーカーに頑張ってもらいたいものです。

徐々に4K対応のテレビの価格も下がり、4Kが一般的になる日は近いかもしれません。今のうちに4K動画撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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新潟在住の写真家&グラフィックデザイナー。約19年間住んでいたニュージーランドの絶景を写真に残そうと思ったのが写真を始めたきっかけで、風景写真、星空と天の川の星景写真を中心に撮影。写真やカメラに関する情報をわかりやすく解説し発信しています。

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