デジタル一眼カメラのノイズの種類と対策・除去方法

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カメラのデジタルノイズの種類 カメラ基礎知識

デジタルカメラで撮った写真には大きく分けて2種類のノイズが発生します。一つはザラザラとした高感度ノイズ、もう一つがカラフルな小さな斑点状の長秒時ノイズと言われるものです。今回は、それぞれ発生するノイズの原因と対処・除去方法を詳しく解説します。

高感度ノイズ

高感度ノイズとは、ISO感度を上げたときに発生するザラザラした感じのノイズで、デジタル処理で電気信号を増幅させる為、感度を上げれば上げるほどISO値の数値と比例してノイズ量が増えるのが特徴です。ランダムノイズと言われていて、同じ状況下で撮影しても毎回別の場所に発生します。

以下の例は、ISO100とISO6400で撮影した時のノイズ量の比較です。その差は歴然でISOを6400の高感度にすると少し変色しザラザラとしたノイズが発生します。

ISO 100のノイズ量ISO 6400のノイズ量

高感度ノイズの対処方法

ISO感度を上げ過ぎない

当たり前の事ですが、ISO感度を上げるとノイズ量が増えるので、出来るだけISO値を低く抑えて撮影することが一番の対策です。明るさの足りない場所ではむやみにISO感度を上げるのではなく、まずは三脚を使うようにしましょう。

また、自分の持っているカメラのノイズ量を把握して、自分なりのISO感度の上限を決めておけば過度のノイズ発生を回避できます。カメラの設定をISOオートしている場合は、ISO値の上限を自由に決めることが出来るので設定しておくと良いと思います。

カメラの高感度ノイズ低減(ノイズリダクション)機能

撮影時にカメラ本体についている高感度ノイズ低減機能を使えば、「強め」、「標準」、「弱め」、「しない」の4段階でノイズ量を軽減できます。デメリットとしては、ノイズ量は軽減されますがディテールが失われシャープ感がなくなる場合があります。

Menu > 静止画撮影メニュー > 高感度ノイズ低減

ニコンの場合、高感度ノイズ低減機能はJPEG保存時のみ反映されて、RAW保存の場合は画質に影響を受けません。撮影時のカメラ設定のデータは残るので、ニコン純正の現像ソフトCapture NX-Dでファイルを開くと高感度ノイズ低減の設定が反映されて、ノイズリダクション設定の数値が変化している場合があります。

ニコンの高感度ノイズ低減設定

ニコンの高感度ノイズ低減設定:「強め」、「標準」、「弱め」、「しない」から選べる

現像ソフトで軽減

カメラメーカーの純正の現像ソフト、ニコンならCapture NX-Dや、サードパーティ製のPhotoshop、Lightroom、Luminar、SILKYPIX Pro10などのノイズリダクション機能を使って、高感度ノイズを軽減することができます。しかし、ノイズ除去効果を強くし過ぎるとディテールが失われ油絵の様なのっぺりした仕上がりになってしまい、思ったような効果が得られない場合もあります。

現像ソフトのノイズ除去にも限界があるので、撮影時に出来る限り高感度ノイズが出ないようにすることが重要です。

現像ソフトのノイズ除去比較

現像ソフトのノイズ除去比較 – 等倍で切り出した画像

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長秒時ノイズ

長秒時ノイズとは、シャッタースピードを遅くして露光時間を長くして撮影した場合に発生する、いわゆる『ホットピクセル』と言うもので、赤、青、黄、緑、白などのカラフルな小さな斑点状のノイズです。シャッタスピードが15秒以上の星空や天の川撮影では良くお目にかかるノイズです。

シャッタースピードを遅くすることでセンサー温度が上昇し電気信号に不具合が発生しそれがノイズとなるのが原因で、シャッタースピードが長ければ長いほど、気温が高い時ほどホットピクセルが発生しやすくなります

長秒時ノイズのホットピクセルは、固定ノイズと言われるもので、同じ状況下(シャッタースピード、絞り、ISO、気温など)で撮影すると同じ箇所に発生するという特徴があります。

長秒時ノイズ『ホットピクセル』

シャッタースピードを約15分にした時の等倍切り出し:長秒時ノイズ『ホットピクセル』が無数に出る

長秒時ノイズの対処方法

ダーク減算ソフトで処理

ホットピクセルを除去したい場合は、ダーク減算処理ができる画像処理ソフトを使うという方法があります。

ダーク減算処理をするには、ノイズのみを記録した画像の「ダークフレーム」が必要になります。ダークフレームの撮影方法は、ノイズ除去したい画像と同じISOとシャッタースピードにして、レンズキャップをした状態でシャッターを切るだけです。真っ黒の中にのホットピクセルだけが撮影されたのがダークフレームと言われるものです

無料ソフトの場合は、RAWファイルを読み込めなかったり、保存形式に制限があったり、有料ソフトでもホットピクセルを完全に除去できない場合もあったりするようです。

DeepSkyStacker(無料)
SiriusComp(無料)
ステライメージ8(有料)

カメラの長秒時ノイズ低減機能

カメラ本体についている長秒時ノイズ低減機能を使えば、撮影時にホットピクセルを極力抑えることができ非常に便利です。この長秒ノイズ低減機能と言うのは、実はカメラ本体でダーク減算処理をしているのです。

ただし、デメリットとして長秒ノイズ低減の処理には、シャッタースピードと同じ時間かかってしまいます。シャッタースピードを30秒に設定したら長秒ノイズ低減の処理にも30秒かかり、一枚撮影するのに合計1分で、通常の倍の撮影時間がかかってしまいます。連続して撮影したい場合には不向きです。

Menu > 静止画撮影メニュー > 長秒時ノイズ低減

ニコンの長秒時ノイズ低減

ニコンの長秒時ノイズ低減設定

PhotoshopやLightroomの現像ソフトで除去

一番確実にホットピクセルを除去できる方法は、現像ソフトのPhotoshopのスタンプツールやLightroomのスポット修正ツールで地道に消していくことです。このやり方なら、ダークフレームを撮影するする必要がなく、撮影時の大幅な時間短縮になります。

また、Photoshopのフィルター機能のダスト&スクラッチを使えば、あっと言う間にホットピクセルを消す事も出来ますが、ディテールが潰れる場合もあるので使い分けが必要かと思います。

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まとめ

デジカメで発生するノイズは、レタッチソフトである程度は軽減できますが、やはり限界があるので、出来るだけ撮影時にノイズが発生しないようにすることが重要です。万が一ノイズが発生したとしても、写真をパソコンのモニターで鑑賞するだけなら、それほど目立たないと思います。目的用途に合わせたノイズ対策をしてシャッターチャンスを逃さないようにしましょう。