一眼カメラのレンズの明るさの基準F値とT値の違い

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レンズのF値とT値の違い カメラ基礎知識

カメラレンズを選ぶ際の基準としてF値で明るいレンズかそうでないかを判断することが出来ますが、T値というのを目にしたことはありませんか? 焦点距離とF値が同じレンズなら同じ明るさの写真になると思われがちですが、実際に撮影すると違った明るさになるのはT値の違いが原因です。

今回は、カメラのレンズ選びの際に参考になるF値とT値の違いを詳しく解説します。

レンズのF値とT値の違い

F値とは

F値とは、レンズの焦点距離を有効口径で割った値で、レンズの明るさを表すために使われ、数値が小さいほど明るいレンズになります。光を多く取り込んで明るいレンズにするには、大口径の方が有利だということが理解できると思います。

T値とは

一方のT値とは、レンズの透過率を含めたセンサーまでに届く実質的な明るさを示す値になります。カメラのレンズの構造は複数枚のレンズから成っている為、最終的にセンサーに光が届くまでの間に、一枚一枚のレンズの透過率の影響を受け、実際のF値よりは暗くなると言うのがT値なのです。
※F値は、あくまでレンズの透過率が100%であるという仮定で出された数値。

レンズの透過率は表面のコーティングでも違いがあり、またレンズの枚数もT値に大きく影響を及ぼします。透過率の悪いレンズを多く使っていれば、当然透過率が下がりT値も高くなってしまいます。

ニコンのちょっと高めのレンズにはナノクリスタルコートと言われるコーティングが施されていて、無駄な反射を抑えて効率的にセンサーに光を通すと言った働きがあります。

50mm F1.4のレンズでT値を比較

dxomark.comというウェブサイトでSigma 50mm F1.4 DG HSMとNikon AF-S NIKKOR 50mm F1.4GでT値の違いを比較して見てみると、Sigma 50mm F1.4のT値が1.8、Nikon AF-S NIKKOR 50mm F1.4GのT値は1.5となっています。

レンズ構成はSigma 50mm F1.4が13枚なのに対して、NIKKOR 50mm F1.4Gは8枚と圧倒的に少ない為にT1.5と言う結果になっています。

T値の比較

T値の比較: Sigma 50mm F1.4 vs Nikon AF-S Nikkor 50mm f/1.4G

この場合、Sigmaのレンズの透過率が悪いと言うわけではなく、物理的なレンズの枚数がT値に大きく影響している例です。T値が良いからと言って、解像力や周辺光量の性能も良いかと言うと、必ずしもそうではないので注意してください。

レンズのT値を調べる方法

一般的にレンズメーカーのスペック表にはT値というのは表記されていない場合がほとんどなので、カメラやレンズの性能を詳しくデータ分析し点数で評価するウェブサイトdxomark.comで調べるのが簡単です。

調べたいレンズのメーカーや焦点距離などから詳細検索が可能で、T値(Transmission )以外にも、解像力(Sharpness)、歪み(Distortion)、口径食/周辺減光(Vignetting)、色収差(Chr. aberration )などの情報も表示され、同じようなスペックのレンズを比較することも出来るので非常に便利です。

まとめ

あくまでT値はレンズ性能の一部でしかないので、それ以外の歪み、色収差、周辺減光、解像力なども考慮した上で、最終的に値段とのバランスでレンズを選ぶのが良いと思います。

レビューを見てレンズを探すのも勿論良いのですが、性能などをじっくりと吟味しながら探すのも面白いものです。意外とお手頃価格なのに、高性能なレンズが見つかるかもしれません。