PCでの写真編集でマウスやキーボードだけでは煩雑になりがちな操作を、効率的かつ直感的にこなしたいクリエイターにおすすめなツールが左手デバイスのTourBox Elite Plusです。
クリエイター向けに設計されたTourBox Elite Plusは写真編集の作業効率を飛躍的に向上させてくれる便利なツールです。
今回は、TourBox Tech様よりご提供頂いた実際に使ってみた感想を中心に、その特徴やメリットなどを詳しくレビューします。

左手デバイスのTourBox Elite Plusとは?
左手デバイスとは?
左手デバイスとは、写真や動画編集をPCで作業する際に、左手を有効活用して効率化を図るために主にキーボードの代わりに使用する万能コントローラーの事を言います。通常のPC操作は、右手はマウス、左手はキーボードを使用しますが、使用頻度の高いショートカットやスクロールなどの操作を左手デバイスに割り当てる事でよりスムーズな作業を実現可能にします。主に写真編集、動画編集、イラストレーターなどのクリエイターに重宝されています。
TourBox Elite Plusの主な製品スペック
TourBoxには、現在TourBox Elite Plus、TourBox Elite、TourBox NEO、TourBox Liteの4種類のラインナップがあり、TourBox Elite PlusとTourBox Eliteが高機能なフラッグシップモデルとなります。
TourBox Elite Plus | |
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接続方式 | Bluetooth もしくは USB |
対応OS | Windows、macOS、iPadOS |
入力方式 | ノブ、ダイヤル、スクロール、ボタン |
設定できる操作の数 | 150以上 |
設定できる機能の数 | 400以上 |
電源 | 単3乾電池×2 |
対応アプリ | Photoshop、Lightroom、Clip Studio Paint、DaVinci Resolveなど |
TourBox Elite PlusとTourBox Eliteの違い
TourBox Elite PlusとTourBox Eliteは、性能スペックは同じですが、大きな違いはTourBox Elite PlusがiPad対応な点です。それ以外では、TourBox Elite Plusの本体の色が白の半透明のクリアートランスパレントの1種類のみになります。
iPadを使用しないのであれば、若干価格の安いTourBox Eliteで十分かと思います。(色によって若干の価格差があります)
TourBox Elite Plusの主な特徴と使用感
TourBox Elite Plusは、基本的に前モデルのEliteから形状やボタン配置が変わっておらず、その優れた操作性を継承しつつ、iPad対応などの改良が加えられています。
iPad対応
TourBox Elite Plusの最大の特徴は、iPad対応している点です。
様々なソフトウェアに対応
TourBox Elite Plusは、代表的な画像編集ソフトのAdobe Lightroom ClassicやPhotoshop、動画編集のPremiere Pro、AfterEffects、FinalCutPro、DavinciResolveはもちろんですが、イラストや3Dソフトなどのクリエーター向けを中心とした数多くのソフトウェアに対応しているのが特徴です。
ずっしりとした重みと安定性
TourBox Elite Plusは小型ながら適度な重み(電池込みで約420g)があり、底面の強力な滑り止めと相まって、ボタンやノブの操作時に力を入れても本体がズレにくく、非常に安定しています。また人間工学に基づいたデザインなので、長時間作業しても疲れにくいです。
回転ノブの触覚フィードバック
TourBox Elite Plusの回転式キー(ノブやダイヤル)は、回した時に「カチカチ」というクリック感(触覚フィードバック)があり、回した量や段階を指の感覚で直感的に把握できるようになっています。
通常はマウス操作で行うスライダーを左右に動かすパラメータ調整は、TourBox Elite Plusを使用すると心地よい感触のノブを回転させて行う事で微調整が可能になり非常に快適です。
ボタン配置と操作性
TourBox Elite Plusは、すべてのボタンが異なる形状やサイズ、配置になっているため、ノールックでボタンを確認することなく、指先の感覚だけで目的のボタンを正確に操作できます。
慣れるのに多少の時間はかかりますが、ナビゲーションを表示する事ができるので、初めて使う人でも問題なく使う事ができます。
TourBox Elite Plusでの写真編集の操作は非常に快適で、滑らかな動きで直感的に操作できます。特に、スライダーを動かす調整は、マウスやキーボードを使うよりも遥かに速く、微調整がしやすいと感じました。
カスタマイズ性
TourBox Elite Plusは、専用ソフトウェア「TourBox Console」を使って、ボタンやダイヤル、スライダーの割り当てを自由にカスタマイズできます。PhotoshopやLightroomなどの主要なソフトウェアにはあらかじめ用意されているプリセットを使えば、ボタンの割り当てを自分で設定する必要がなく直ぐに使い始める事ができます。
TourBox Consoleは直感的に操作可能で簡単に設定ができ、自分の作業に合わせて最適な割り当て設定をすれば、より使いやすくなります。
連続した操作が登録できるマクロ機能
TourBox Elite Plusのマクロ機能を使うと一連の連続した操作を1つにまとめて登録することができ非常に便利です。簡単に言うとPhotoshopのアクションのような感じで、ボタン一つで連続した操作を自動的に実行してくれます。
例えば、Photoshopであれば、「レイヤー表示→選択範囲表示→カラー選択→塗りつぶし」の様な連続する操作をマクロ登録すると、ボタン一つで実行する事ができるようになります。同じ操作を繰り返し行う場合は、マクロ機能を使うと非常に便利です。
マクロ機能に登録可能な操作は「ショートカット」、「マウス操作」、「遅延」、「テキスト入力」、「開く」の5種類で、様々な組み合わせで使用頻度の多い操作を独自にマクロ設定する事で作業効率がアップします。
TourBox Elite Plusのメリット&デメリット
メリット
- 作業効率が大幅アップ
キーボードとマウスだけの操作よりも格段にスムーズで、特にLightroomの写真補正の微妙な調整では手放せなくなります - 直感的な操作
ノブやダイヤルを回す感覚が、アナログ的で心地よく、操作が自然に馴染みます - エルゴノミクス設計
片手で操作する前提のデザインなので、長時間の使用でも手が疲れにくいです - iPadにも対応
デメリット
デメリットらしい点はほとんどありませんが、あえて挙げるとしたら
- 持ち運びには不向き
サイズ感はコンパクトですが、420g程の重量があるので外出先へ頻繁に持ち運ぶのにはあまり向いていません - 慣れるまでにやや時間がかかる
ボタンやダイヤルが全部で11種類あるので慣れるのに多少時間がかかりますが、1週間あれば慣れるので心配する必要はありません
総評
実際にTourBox Elite Plusを使用してみた感想としては、まずその操作性の良さに感動しました。Lightroomでの写真編集時に、キーボードやマウスでは難しい微妙な操作を、TourBox Elite Plusのダイヤルやボタンで簡単に行える点が非常に大きなメリットに感じました。
また、自分でよく使う操作をカスタマイズで自由に割り当てられる点も非常に便利かと思います。最初のうちはTourBox Elite Plusに予め割り当てられているプリセットだけでも良いのですが、使っていくうちに自分なりにカスタマイズする事で更に使い勝手が向上します。
TourBox Elite Plusは、クリエイティブな作業を行う人にとって、高いカスタマイズ性と直感的な操作性を兼ね備え、作業効率を飛躍的に向上させてくれる便利なツールです。LightroomやPhotoshopを使用する写真家、Premiere ProやDaVinci Resolveを使用する映像編集者にとっては、そのポテンシャルを最大限に活かせると思います。
クリエイティブな作業を効率的に進めるたには十分に価値がある製品だと感じました。使い込むほどに、その利便性と快適さを実感できるかと思います。