ミラーアップ撮影でブレを防止してシャープな写真に仕上げる方法

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

ミラーアップ撮影 カメラ基礎知識

三脚やレリーズを使って綺麗な写真を撮ったはずなのにパソコンで拡大してみたら微妙にブレてる時ってありませんか? 実は一眼レフカメラ特有のミラーショックと言われる振動が原因でブレている可能性があります。そんな時はミラーアップ撮影することでブレの無いシャープな写真に仕上げることができます。

ミラーアップとミラーショック

一眼レフカメラ内部にあるミラーは、シャッター動作とほぼ同時に上へ跳ね上がる為、カメラに振動を与えてしまいます。このミラーによるカメラ内部の振動を『ミラーショック』と言います。

ミラーショックによるブレを防止する為に、シャッターの動きとタイミングとずらして予めミラーを上げた状態を『ミラーアップ』と言います。このミラーアップ撮影モードがあるのは、大抵は中級モデル以上の場合が多いようです。ニコンならD7000系より上位機種になります。

また、最新機種や上級モデルになればなるほど、ミラーショック対策が施され、ミラーの振動によるブレが軽減されるように設計されています。

ちなみに、一眼レフカメラの『レフ』とはレフレックス(光の反射)の略で、カメラ内部にあるミラーに光を反射させファインダーを通して見ることが出来るカメラを総称して『一眼レフ』と呼んでいます。一方、ミラーレスカメラと言うのはその名の通りミラーが存在しないカメラになりますので、ミラーレスカメラの場合はミラーショックの心配は皆無です。

詳しいカメラの構造は、ニコンの公式ウェブサイトにある「デジタル一眼レフカメラの構造」でご確認ください。非常に分かり易く図解していて、ミラーの動きも理解できると思います。

ミラーショックの影響が出やすい条件

シャッタースピードが1/2~1/100秒前後の時

カメラの機種によりますがシャッタースピードが1/2~1/100秒位の時、特に1/60秒前後でミラーショックのブレの影響が出やすくなると言われています。これはミラーアップとシャッター動作のスピードが同じタイミングだからと考えられます。

薄暗い室内や朝夕など若干シャッタースピードが遅めの時に注意が必要です。

明るい場所などシャッタースピードが比較的速い場合は、ミラーアップの動作よりも先にシャッターが切れるので振動によるブレの影響が出にくく、ミラーアップをする必要はありません。

望遠やマクロ撮影する時

焦点距離の長い望遠レンズで遠くの風景を撮影する時や中望遠レンズでマクロ撮影する時は少しの振動でもブレやすく、ミラーショックの影響も出やすくなります。

ピント合わせがシビアな望遠・中望遠レンズを使った撮影ではミラーアップする価値は十分にあります。今までレンズの解像力が弱いと感じていたらミラーショックが原因かもしれないので是非お試しあれ!

ミラーアップの設定と撮影方法

ミラーアップ撮影を行う場合は、三脚とレリーズを使う事が基本となります。出来る限りブレを防止する為のミラーアップなのに、手持ちで撮影してシャッターを押す時の振動や体の揺れでブレていたら意味がありません。

ファインダー撮影の場合

シャッターを2回押す必要があります。

  1. カメラ本体にあるレリーズモードダイヤルを「Mup」にセットします。
    ニコンのMupモード
  2. 通常通り構図を決めピントを合わせます。
  3. シャッターボタンを全押しするとミラーアップします。
    ※ミラーアップした状態の時は、ファインダーは何も見えなくなり、オートフォーカスや測光もできなくなります。
  4. ミラーの振動がおさまるのを待ちます。もう1回シャッターボタンを押すと撮影できます。

ワイヤレスリモコンでミラーアップ撮影

ニコンのワイヤレスリモコンを使用する時は、MENUの静止画撮影メニュー > リモコンモード設定(ML-L3) > ミラーアップリモコンを選択します。

あとの操作は有線のレリーズと同じで、構図やピントを合わせたら、1回目のシャッター全押しでミラーアップして、2回目のシャッター全押しで撮影となります。

※リモコンを使う場合は、レリーズモードダイヤルを「Mup」にセットする必要は無し

ライブビューモード使用時

ライブビューモードの場合は、既にミラーアップされた状態なので特に設定する必要はありません。通常通り構図を決め、ピントを合わせ、シャッターを切るだけでミラーアップ撮影ができます。

一般的に風景やマクロ撮影でブレないようにするには、三脚に固定してライブビューモードを使用すると思います。構図を決める時はファインダーを覗いて大まかな位置を決め、その後はライブビューモードに切り替えて微妙なピント合わせや測光などを行い、撮影するといった流れになり、特にミラーアップを意識する必要もないのです。

ミラーアップ撮影したのにブレる?

ミラーアップ撮影したにも関わらず写真がブレていたなら、ミラーショックが原因ではなく、風やシャッターボタンを押したときの振動などが考えられますので、それぞれの対策を施すことで解決できると思います。

風で三脚が揺れるのであれば、頑丈な三脚に変えたり、三脚に重りを付けるとブレが軽減されます。また、シャッターボタンを押したときの振動は、レリーズやリモコンを使い、無い場合は2秒タイマー、5秒タイマーで対応すれば、ブレを回避できます。

まとめ

ブレにシビアな撮影にはミラーアップは非常に有効です。出来る限り振動を抑えブレの無いシャープな完璧な写真に仕上げるなら、ミラーアップ撮影は是非とも有効活用したい機能の一つです。